宇野常寛の『ゼロ年代の想像力』(2008)をいまさら

宇野常寛の『ゼロ年代の想像力』(2008)をいまさら読んだけど、デスゲーム系作品(宇野は「サヴァイヴ系」という呼び方を提唱しているけど誰も使わなかった)やケータイ小説がセカイ系やラノベを乗り越えるという主張はどっちも外れてたなあとしみじみ。

デスゲームものもそんな長く流行らなかったし、ケータイ小説よりも(宇野が90年代の遺物だろうと否定したキャラクター/データベースシステムベースの)なろう小説だったしなあ、覇権取ったのは。この本は東浩紀は俺が倒すみたいなイキりが大前提としてあって、東浩紀の言ってることを否定出来そうなネタとしてデスゲとケータイ小説を持ち上げたという建付けの、まあ大したことはない本だなと思った。

それにしてもセカイ系の金字塔みたいに思われていたエヴァンゲリオン作った人たちが30年後にはガンダムの公式コラボ同人アニメでセカイ系やらループやらデスゲームやらのノスタルジックギミック満載のゲーム実況と考察煽りビジネスを(還暦過ぎて)やってるってのは、誰にも予想出来ない未来だったね。