ウクライナの戦争の情報は英語で入手した方が良い

たまたま昨日、とある有名ビジネスパーソンのTLを見る機会があり、ウクライナ戦争と特にマリウポリ包囲戦についての長文投稿を読んだ。

結論を言えば典型的な親露派の陰謀論に染まっていて、それが非常に面白かった。例えばアゾフ連隊がマリウポリ市民を銃で脅して「人間の盾」にして工場に立てこもっており、これはゼレンスキー政権の指示なのだなどという類の与太である。

日本語のインフルエンサーたちの投稿は普段私のTLではミュートとブロックによってほぼ完全にシャットアウトされているので、彼・彼女らが今回何を言っているのか知る機会が無かったのだが、狂犬病祭りを煽っている橋下徹やら知念実希人を見ても、相変わらず俗情を刺激してRTを回すということを続けているらしいことはわかった。

ウクライナ・ロシア戦争の大きな特徴は最前線を含めたウクライナ国内のあらゆる場所からの絶え間ない草の根の情報発信があり、それらを各種の公式発表と突き合わせてファクトチェックしつつ英語空間で整理していく集合知的な仕組みがあり、また専門家たちがライブ感のある分析を公開し、それらもまたツイッター上でピアレビュー的にチェックされつつ広がっていくという、情報の生態系のようなものが瞬く間に成立した点にある。

この森を観測するのはそれなりの機会コストを消費するが、少なくとも大手メディアの報道より2日程度早く、視点も多角的で、現場の生々しい声にも触れることが出来る。

また、インフルエンサーたちが単純化し、あるいは逆張りの強引な解釈で耳目を集めようとしている諸々の言説の厚み(の無さ)を瞬時に判断することも出来るようになる。

賢くなりたいならまずは日本語インフルエンサーたちのアカウントをTLから排除することだ。