アングラ・鬼畜・悪趣味文化に関わるなら20代まで。さっと稼いでさっと足を洗え。

カオスラウンジの歴史をあらためてチェックして思い出したのは1980-90年代のいわゆる「鬼畜・悪趣味」コンテンツビジネスの顛末です。

この時代は得体のしれないポルノ雑誌の全盛期で、とにかく写真のところにヌードやカラミがあれば文章ページは何でも良かったので、大学生やフリーター(あるいはフリーライター)に嘘記事や悪趣味な記事を安く量産させて載せていたんですね。芸能人の家庭ごみを盗んできて使用済み生理用品を撮影して雑誌掲載するとか。あと死体写真も手軽に売上を伸ばせるコンテンツとして濫用されていたようです。麻薬患者をネタにした記事とか。

当時の時代の風潮が「ポストモダンだから何でもあり」、特に人文系の学部を出た人たちはそういう考えに染まった人が多かったのと(明治大学の文学部出身者がこのムーブメントの中心人物には明らかに目立つ)、今まで「いくらなんでもそれは」ということで商業化されていなかった下品の極みなものを売ったわけなので、まー楽に稼げたんですね。いわゆるブルーオーシャン。そして80-90年代はそういうことに関わっていることが「尖っている」と勘違い出来る空気もごく一部にあった。

ただ、当局には目をつけられますし、誇れる仕事でもないですからね。若いうちに数年間そういう仕事をしてさっさと足を洗ってカタギになった人の中にはカタギの文化人として名を成した人もいます。大塚英志、香山リカ、蛭子能収。でもズルズルとその世界に留まった人たちはね。自殺、うつ病。殺人事件の被害者になってこの世を去った人もいます。そんな人ばっかりと書いても良いかもしれない。

若いうちの数年間ならまあ、リカバリー出来なくもないですよ。だからアングラ文化コンテンツでアルバイトするのも100%ナシとまでは言わない。

でも中心人物になっちゃダメだし、30過ぎたらそういうのからは一切足を洗った方が良い。絶対に。ポストモダンだから何でもありじゃんは(今それを掲げること時代が時代遅れ感きついですがそれでも)30まで。体力と向こう見ずさの勝負なので、30代、40代になったら単純にその部分で20代に勝てないし、既に鬼畜悪趣味アングラコンテンツで稼げる時代でもないのでね。20世紀にそれで儲けられたってのは、今みたいにインターネットが無かったからなんですよ。今はネット漁れば悪趣味コンテンツなんかいくらでも出てくるでしょ。ってことはそんなものはビジネスにならないってことなんです。

まとめると、80-90年代のアングラ悪趣味鬼畜コンテンツ商売に関わった人で撤退の時期を見誤った人たちは一般的な価値観で言えば悲惨な老後なので、今を生きる若者はアングラ悪趣味に関わるとしても20代まで、深入りしない、さっと手を引いて足も洗って人間関係も切ってしまうのが幸せへの唯一の道です。アングラ悪趣味は真・善・美には勝てません。ビジネスにおいても。