安藤雅信『どっちつかずのものつくり』(河出書房新社2018)

安藤雅信『どっちつかずのものつくり』(河出書房新社2018)読了。

村上隆と安藤雅信の対談がとにかくヤバかった。生活工芸も古道具坂田も既に権威だろう、カウンターカルチャーじゃないだろうというシュートをしかける村上隆、いや茶陶の世界に対するカウンターなんだとやりかえす安藤。

村上隆の、日本の芸術はエンジニアリングを忌避するから世界に出ていけないという指摘が特に面白い。これは私が最近ずっとB2Bで関わっている領域(小説ではないぞ念の為)。たしかにエンジニアリングの方法論を使う時点で国内市場は切り捨てることになるが、国際標準はエンジニアリング側だから。

※芸術がエンジニアリングってどういう意味なのか、という話は課金コンテンツなのでFBではここまで。

坂田和實氏との対談も面白い。

坂田氏には一度だけ会ったことがあるんだけど、それは彼が本で褒めていたエールフランスの機内食のカトラリーがうちにあったので、彼に進呈したとき。その後また自分の講義があったので大急ぎで立教の池袋キャンパスに戻る必要があり、本当に一言二言の会話をしただけだった。もう店も無くなってしまったそうだが、坂田氏から物を買った人は多いだろうが物をあげた人というのは案外少ないのではないか。ちょっとした自慢である。