山口隆子(1952-)の作品がクリスティーズで100万ドル越え。

今年、72歳にしてセカンダリで100万ドル越えを果たした大和民族(多分)の画家。山口隆子。1952年岡山県生まれ。東京基督教大学中退、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で1978年にMFA。以降、アメリカ在住。国籍はわからないです。まだ日本国籍あるのか、アメリカ人になったのか。

80年代から画家としてずっと活動を続けてきたそうですが、2020年代に入って突然、セカンダリの取引価格が急上昇。今年の3月ついにクリスティーズのオークションで100万ドル越えを達成。

今年のホイットニー・ビエンナーレにも呼ばれてますね。

90年代に岡山のギャラリーで2度ほど個展も開催してます(そのときに作品買っといた人たちはラッキーでした)。この記事に出てくる大作「イノセント・バイスタンダーNO.4」、日本国内にあるみたいですが、当時のプライマリで47000ドルだったなら、現在のセカンダリでの市場価値はもう楽勝で億越えてるでしょうね。

近重氏が、研究室に絵を持ち込んだのは、6月25日の午後である。そこで意外な発見をする。「イノセント・バイスタンダーNO.4」は、厚手の洋紙にジェッソを施し、そのうえに金箔押しをした後、着彩された油彩画であった。それを丁寧に巻いた状態で彼は運んできた。ゆっくりと開かれてゆく絵の端から、金箔の鈍い光が明確な意志をもって訴えかけてくるようであった。それは、ずしんと重かった。露光不足の写真が計算されたものであったかのように、今になって、本物の凄みを感じさせた。「じゃあ、いただきます」という言葉が口をついて出た。後に引けなくなった。

ローマ字表記すると同じになっちゃいますが、岐阜県出身のインスタレーション作家は山口貴子、三軌会所属の洋画家は山口たか子。大和民族では多い名前ですもんね。

まあともかく、日本国内では完全ノーマークのところからまた「外国で大成功した現代アーティスト」が出現したってことで、めでたい。

外国でそこそこ売れてる日本人現代アーティストが日本国内現代アート論壇/マスメディアではほとんど話に出ないってのはいつものこと。

でもここまで来たらどっかの芸術祭に呼ばれそうです。