仮面ライダービルド、ついに完結しました。
仮面ライダーシリーズは息子につきあって結構見てまして、仮面ライダードライブ、ゴースト、エグゼイドは全部見ましたね。フォーゼや鎧武は最初のほうだけ。ウィザードはほとんど見てないです。
作品によってある程度の出来不出来はありますが、今のウルトラマンや仮面ライダーは一定のクオリティは保たれたシリーズだよなというのが私の印象です。ドラえもんと同じで、このシリーズを見て育った人たちが、このシリーズを作る仕事がしたくて集まってやっているので、ここが大事という部分を大きく外すことは無いからでしょう。
その中でも仮面ライダービルドはウルトラマンジードと並んで、名作と私は思います。
問題は、何故、仮面ライダービルドが名作になったのか。
ここが良かったというポイントを挙げていくことは簡単ですよ。
・主役の犬飼貴丈がめちゃめちゃ頑張った。
・メインヒロインの赤楚衛二も頑張った。
・サブヒロインの高田夏帆も頑張った。
・脇役で相対的に年長だった人たち(水上剣星、武田航平、滝裕可里)やベテラン(前川泰之)がみんなお芝居上手い人だった。
・武藤将吾の脚本が手加減無かった
・監督陣の演出も手加減無かった
・小室哲哉・浅倉大介の書いた主題歌が名曲だった
などなど。
でもそんなこと言ったら他のライダー作品だって皆さん全力でやっていたはずなので、あまり説得力が無いんですよ。犬飼くんが言ってましたけど、「スタッフさんは誰一人妥協しないし」って。
じゃあなんでビルドは凄かったのか。
私が考えるに、ある方向性で目一杯振り切って作ったから、だと思います。具体的には、仮面ライダーというフォーマットで武藤さんの考える「ヒーロー」とは何かを、お客さんのこと考えずにやりたいことを追求しきってしまった。
だから平均視聴率はめちゃくちゃ低かった。フォーゼとか鎧武は5%越えていたし、ゴーストがギリギリ5%弱、エグゼイドは4.5%くらいだったのが、たぶんビルドは3%あるかないか。物凄い落ち方です。前年度実績から30%落ちたら普通は担当者途中で更迭ですよ。
妻は「子供無視して作ってるよねこれ」と言ってました。
小学校入学前の子供を育てている友人たちも一様に「難しすぎて子供が見なくなった」と苦笑していました。私もそう思います。私でさえ難しい。伏線は多いし、人間ドラマ濃いし、まさかのどんでん返しの連続だし。しまいにはビルドの戦い全てが、ビルドが新しく創造した世界において桐生戦兎と万丈龍我が再構成して配信したメタフィクションドラマだったという仕掛けが明かされて大団円するし(最終回見てから1話2話見直すと、うおおおここがあそこと繋がってたんか! というのがいっぱい出てきてゾクゾクしますよ。完全に大人向けの作り)。
それを「てれびくん」「テレビマガジン」読んでる子たちにわからせようなんて、絶対考えてないでしょう武藤さん。
それでも最後まで振り抜いた武藤さん、それを許した大森プロデューサーは素晴らしかったです。その気迫が上堀内監督らスタッフ陣そしてキャスト陣にも伝わって、そう来るならこっちはこうだ、みたいな相互作用で、佳作良作から名作への一線を越えていったんじゃないかなと推測します。
ただ、メインスポンサーのバンダイナムコの決算短信を見ると仮面ライダーの売上はむしろゴースト/エグゼイドの2017よりもエグゼイド/ビルドの2018の方が増えていて、視聴率はともかくオモチャはまあまあのようです(うちも頑張って買い支えました)。ここの数字が落ちていたらさすがに危なかったかもしれないですけどね。
あと、SNSも大変に盛り上がっていて、仮面ライダーシリーズ初の、ツイッターフォロワー10万人越え。8月27日時点では11万4388人がフォローです。レギュラー陣(犬飼さん、武田さん、赤楚さん、滝さん、高田さん)のインスタグラムも毎週大盛り上がりで、平均1万良いねくらい付いてましたね。
すなわち、オモチャを大人買い出来てツイッターやインスタを使っている人たち・・・・大人がビルドにハマっていて、そちらの方からのダイレクトな反応もまたビルドの後半を加熱したように思います。
役者さんたちだって、放送終了後に殺到する熱いコメントの波と莫大な良いねが毎週毎週あったら、そら燃えますよね。武田航平さんのインタビューでも
インスタのフォロワーが伸びたのがびっくりしました(笑)。でもそういう数字だけではなくて、撮影をしている時であったり、街で声をかけてくれる小さい子たちが本当にうれしそうにしてくれるんですよ。これは『ビルド』だけではなく『ルパパト』もそうなのですが、ヒーローにしかできないことなので、やっぱりうれしいですね。本来こうやって人に喜んでいただきたいと思って、この仕事をやっている部分があるので、やっていてよかったなって。
10年前との違いはSNSの発達によるところも大きくて、どういう方々が僕のことを認知してくださっているのか、応援してくださっているのかというのが、わかりやすい時代になりました。10年前にもそういうものはあったんですけれど、より身近なものになっていますよね。その中で、家族で一緒に楽しんでくださっているという声も聞いて、この仕事をやっていてよかったなと思いますし、もっともっとそういうことを与えていける人間になりたいなという気持ちが、この作品をやったことでより強くなりました。
とおっしゃってます。
これらの諸々が化学変化を起こして、視聴率は悪かったけど名作と呼ばれるであろう仮面ライダービルドが残ったんだろうと考えたのでした。
我が家としても、引き続き仮面ライダービルド商品を買い漁って参ります。
私、フィギュアーツのグリスブリザードは相当迷ってますね。買っちゃおうかなあ。あと、「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」は絶対見に行くのと・・・また大きな仕事受注出来たらブルーレイボックスも大人買いしちゃおう。
それからこれ。
なにこれ
すごい。アタマおかしい。
これ、このランディングページ作ったやつ。出てきなさい。きみねえ、どんだけ仮面ライダービルド好きなのよ。最っ高だ。買うしかないだろ。
・・・なお、息子はカズミン撮影のみーたんカレンダーを「買わないと!」と言ってます。あれもビルドグッズに含めるんだって。