ファインアートについて

川瀬智之『東京藝大で教わるはじめての美学』書評
川瀬智之『東京藝大で教わるはじめての美学』世界文化社、2024いったいどんな内容かと思ったら著者の専門である20世紀フランスの絵画論に特化した本でした。取り上げているのはアラン、サルトル、メルロ=ポンティ、デュフレンヌ、マルディネ、アンリ。...

「これって200年前に両国広小路で流行ってたやつと同じだよなあ」と思ってしまう現代アート作品が少なくない
現代アート、デカけりゃ良いってもんじゃないという投稿を見てふと気になったこと。外国はどうか知りませんが、日本の場合、江戸時代に「やたらとデカいスカルプチャー」「半分悪ふざけみたいなスカルプチャー」が大流行していたという歴史があります。その舞...

赤城乳業とカイカイキキの共通点
赤城乳業の絶対的エース、ガリガリ君村上隆がスーパーフラットで世界的ヒットを飛ばしたのは事実として、25年経っても自分のカイカイキキギャラリー含めてスーパーフラット頼りの一本足打法ラインナップなのは、「赤城乳業といえばガリガリ君」という、絶対...

現代アート先輩のマイルド家父長制
日本語の「現代アート」の世界のパイセンたちでSNSで後輩に説教するのが日課みたいになっている先輩方って、親切心なんだろうけど「そんなものはだめだ」「こうしないといけない」を断定しがちでこれは中の人のジェンダーにかかわらず(私には)マイルド家...

私がミルヨウコ「Pink Love 喜多川歌麿「歌満くら」12枚の内の第9図のオマージュ」を買った四つの理由。
それでは私が何故「余白のアートフェア福島広野」出展作品の中で一番最初にミルヨウコさんの「Pink Love 喜多川歌麿「歌満くら」12枚の内の第9図のオマージュ」を買ったのか、その理由を説明していきましょう。まずは作品画像ですよね。やばっ!...

「ファンシー」とフェミニズムアート
余白のアートフェアの審査資料を全力で作っているのですが、あらためて作品画像を全て拝見してステートメントと併せて資料に入れ込んでいきながら強烈に感じていること期せずしてこれは日本のフェミニズムアートの地下水脈みたいなものを覗き込む機会になって...

東京カレンダー美術手帖オンライン東京ウォーカー
私が東京に出てきたのは1990年で、まだジュリアナ東京もあったしセゾン文化は全盛期で、学生は「ぴあ」や「東京ウォーカー」を毎週買っては遊びの情報を探してたんですよ。まあ他にも情報誌は数え切れないくらいあったけど。もう「ぴあ」も「東京ウォーカ...

マンガやアニメの原画展で稼ぐならちゃんとリスペクトせえよ、と
今や日本各地の美術館が「確実に稼げる鉄板コンテンツ」としてマンガやアニメの原画展を開催しているのだから、いつまでもマンガやアニメを美術史の外にある下位/従属文化(subculture)あるいは対抗文化(counter culture)扱いで...