現代アート先輩のマイルド家父長制

日本語の「現代アート」の世界のパイセンたちでSNSで後輩に説教するのが日課みたいになっている先輩方って、親切心なんだろうけど「そんなものはだめだ」「こうしないといけない」を断定しがちで

これは中の人のジェンダーにかかわらず(私には)マイルド家父長制に見えています

命題1 「アーティストとして経済的に成功し、界隈での認知度が上がることが常に正しい」
命題2 「この正しい道を間違いなく歩みたいのならば、知識と経験において勝る私の言うことを聞いておいた方が良い」

上記の二つの命題についての留保やオルタナティブな視点が相対的に少ないわけです。だからマイルド家父長制。

「余計なことを考えずに俺の言うことを聞いておけばお前は一人前になれる」

私はアート業界には詳しくないですが、人材育成やキャリア支援の経験についてはアートマイルド家父長制パイセンたちを10人束ねたよりも経験と実績がある(だいたい私のキャリアの出だしは今パーソルキャリアになってる人材系スタートアップ企業)と思います。

そんなHRパイセンとしては、マイルド家父長制的語りはキャリア支援のアプローチとしては、あまり良いとは思わないですね。

マイルド家父長制パイセンの限界は、マッチョアプローチしか知らないということです。

体力と鈍感力の我慢くらべで生き残った人がパイセン化するので、実家の太さとかジェンダーとか出生地とかエスニシティみたいな変数の統制を一切行わない気合と根性主義になってしまう。

実家が太くて五体満足の主流派民族のシスジェンダーヘテロ男子だったら、気合と根性で勝負したらそりゃ他がどんどん脱落してくんだから勝ち残れるに決まってるわけです。

私の場合はそうじゃない若者たちのお世話も膨大にしてきたので、女性や障害者にマッチョアプローチを提案することの非合理性はよくわかっていて、「マッチョアプローチが難しいから別のアプローチを模索している」というところが出発点だろうと考えています。