倉石信乃と自分の距離感が8年とは思えない件

富士ゼロックスの広報誌『GRAPHICATION』の最新号が届きました。

今回の特集は「写真と出会う」。

おお、とか思ったんですが、表紙の写真がいきなり救いがたいほどに低レベルで(清真美という人が撮ったそうですが)、10秒ほどまじまじと見てしまいました。80年代かよこのセンス。

更に巻頭の倉石信乃と谷口雅の対談がまたもうこの本当にどうするのこれ。日本人の写真家の名前しか出て来ないし、SNSで今現在バズってるナショジオ風の風景写真をアタマから否定してるし(社会学の立場から言えば、現にそういうものが強い影響力を持っている以上、その事実を受け入れるところから出発するのですが、日本ドメ批評家は違うようです)、私なんかハッシュタグセルフィーは写真の歴史上、とてつもなくでかい何かの出現だと思うのですが、彼らは全く評価していない。

倉石と私の年齢差は8歳ですが、そこまで見えてる世界違うもんですかね? いや、多分あれです。彼は前の時代のドメスティック写真秩序でマネタイズしてきた人だし、私はそういうの全部吹っ飛んだらおもしれーじゃんと楽しみにしている、その辺の立場の違いもあるんでしょう。

あと、彼は学部卒の批評家つまり研究者じゃないですしね。

ほんと、彼の文章でこれはというのを見たことが一度も無いわ。

2023/3/1 追記

9年経ってみて「やはりー」でしたね。ハッシュタグもセルフィーもドローンも写真史上の超巨大トピックになりました。中平卓馬なんかより億のオーダーで影響力でかいやつに。