NYのファッショニスタが、奇天烈ファッションを引退してファストファッションやスポーツカジュアルブランドを着るようになってしまった際に使う言い訳が開発されたそうです。
「ノーマコア」(ハードコアなくらいに超普通)
Normcore: Fashion for Those Who Realize They’re One in 7 Billion
Letting go of the need to look distinctive.
社会学的にはファッションの動機って定説が確立していまして、「他者とは違うことを衣類で表現することを通して、他者の欲望の対象となることを目指す」というものです。
この「ノーマコア」は、ですから原理的にファッショニスタがどう言い訳しようともはやファッションじゃないんですが、そういう言い訳を用意してファッショニスタがファッションから降りたくなるほどに、ファッションという分野がイケてない世界になっているのだとしたら、面白いですこれは。
なにしろ、昔は着ているモノでそいつを値踏みするしかなかったけれども、今は違いますもんね。そいつの名前でググって何が出てくるか、ツイッターやフェイスブックやリンクトインやブログでそいつが何を書いているかをみれば、無内容な低レベルギークなのか、周囲の尊敬や敬意を集めている偉人なのか、すぐにわかっちゃう。もうファッション要らない。内容がある人ほどファッション要らない。
考えてみれば人類史の中にファッションが出て来たのって、甘く見積もって数百年前ですからね。始まりがあったのだから終わりがあってもおかしくない。
レコーディング・アーティストが終わろうとしているのと同じように。