何故、世界はパリの惨劇にばかり過剰反応するのか、その理由をメディア論の視点で考えた。

何でパリでのテロばかりみんな反応して他のテロには冷たいのか、という問いには私なりの答えがあります。
パリは白人の国の首都だから、というのではないです。ちょっと前にもロシアの飛行機が落とされて200人以上が殺されましたし。
世界でもパリほどマスメディアにイメージが氾濫し、億単位の人間がその街角の風景をパッと想像出来る都市は、他に無いから。これが私なりの答えです。エッフェル塔と凱旋門とシャンゼリゼという強烈なランドスケープのアイコンがあり、映画テレビ雑誌その他で最も多く取り上げられてきた歴史があり。
この点でパリに匹敵するのはNYとロンドンとローマくらいではないですか?
NYの自由の女神、ロンドンのビッグベン、ローマのコロッセオ。でかいし、孤立峰だから目立つし、形も独特。パリはそれが二つあるからやはり最強です。私、LAの風景なんかイメージ出来ないもの。ベルリンのブランデンブルグ門、北京の天安門、モスクワの赤の広場、大阪の通天閣あたりは、でかさが足りないか、孤立峰じゃないかでしょ。
だからこそISはパリを狙ったんだろうと。世界で最も多くの人にメディアを通して力を誇示出来るターゲットはどこかと考えて、出てきた答えはパリだったのだろうと。
パリはその華やかなイメージをマスメディアに乗せて全世界に拡散することで、単なる一国の首都という存在を遥かに超えた世界都市としての力を手に入れ、それを振るってきました。パリコレなどその最もわかりやすい例です。
それを悪用されたというのも、今回の悲劇の一つの側面かと思います。