ただし、マニュアル本に書かれているセオリーは言ってみれば「読めば誰にでも手に入れられる知識」でしかなく、それを個々の素材に対してどう適用するのかは、まだまだ経験やカンの勝負。
OPEN-AIのGPT-3とか、DeepLの機械翻訳とか、テキストデータや画像データなど、既にデジタルデータ化されたものを扱うタイプのAIでは、トップレベルのプログラムは既に平均的な職人の能力を越えつつあるけれども、動画はマテリアルハンドリングが不可欠な工程としてあるので、なかなか「全てをAIで」というわけにはいかないだろう。
もちろん、CGで「本物そっくりの商品」を描画してしまうフルCGの商品紹介動画をAIに作らせるという方向性も確実に進化してゆくだろうし、そちらにも一定の需要はあるだろう(現時点ではそれをやるための計算資源のコストが高すぎて、戦闘機みたいな超高額商品以外は見合わないだろうけれど)。
だが、B2C商品のネット動画は、ツッコマレビリティがかなり重要である。
「おいおいおい、なんだそれ」
と笑ってもらえるかどうか。これがとても重要なのだ。息子が「これおすすめ」といってリンクを送ってくる動画はすべて、その部分が突出している。
ということは、AIが一線級youtuberと戦うためには、「笑い」を理解していなければいけない、ということになる。
アリストテレスの「喜劇論」以来の、人類にとってのSSS級の難題「笑いとは何か」がそこには立ちふさがっている。
ディープラーニングをぶん回して、力技で「笑い・らしきもの」を生成する戦略に勝算無しとはしないが、将棋や囲碁ほど簡単に「笑える動画を量産出来るAI」が出てくるとも思えない。
また、「笑い」は応用的なものになればなるほど、一般化された方法論は陳腐化の洗礼を受ける。(だからお笑い芸人は生き残るのが難しいわけだ)
かように考えていくと、youtube向けの動画制作は、当面はかなりやりがいがある、クリエイティブな分野と言えるのではないだろうか。
何が言いたいかというと、御社の動画制作、請負っちゃうよってこと。