配信ライブハウスというビジネスモデルの可能性

一昨日の晩、BABYMETALのライブ動画配信を見ながら考えた。

コメント 2020-06-28 203151

配信ライブハウスというビジネスモデルは成立するのではないか。

日本のライブハウスはこれまで、バンド1組あたり15人から20人くらいの集客をノルマにしていて、1人来場すると入場料とワンドリンクで2000円くらいはお金が入った。

15人ノルマ×5組を1日で出せば売り上げ15万円前後。来場数がノルマ数を下回るとドリンクは売れないから、まあ13万円くらいか。

これを月間25日稼働させると売り上げ325万円。年商3900万円。

店として何とか成り立つ数字をこの辺りと見ると、コロナ時代にはこれを動画配信料で確保しようということになる。だがベースのところは出演バンドがチケットノルマという形で売り上げ保証してくれるから、問題はドリンク部分か。

1日13万円分の配信チケットを売るとなると、1枚1000円なら130枚。配信プラットフォームに払うお金もあるから、160枚か。5組なら1組32枚。5人編成なら一人6枚ちょっと。

まともなバンドならどうとでもなる数字だ。

むしろ無観客を前向きに考える。

観客を入れないならドリンクの在庫もいらない。客席スペースだったところを演奏者が使える。

バンド側から見ても、これまで遠方とか別件の用事があってとかでリアルのライブハウスに来てくれなかった人がチケットの潜在顧客として新たに加わる。子育て中の主夫や主婦はライブハウスなぞ滅多に行けるもんではないが、配信ライブならなんとかなる。

このように考えると、昔ながらのライブハウスにこだわらずに新しい仕組みに適応していけば、何とかなりそうだ。

これからはむしろライブ動画の撮影やスイッチングが上手い、配信する音が良い、視聴中の客からの反応を感じやすいといったことがウリになっていくのではないか。

立地も家賃が高い都市部の駅前である必要はない。配信ライブハウスなら郊外やリゾート地でもOKではないか。だいいち、ライブハウスが大衆音楽の演奏家が腕を磨く唯一の場だった時代などとうに終わっている。youtubeこそ現代のライブハウスでありストリートだ。

良いミュージシャン、顧客とのコミュニケーションに長けたミュージシャンならば、コロナ時代でも何とかなる。むしろメンバーに動画スイッチャーやVJが加わるなんて可能性もあるし、配信ライブカメラマンなんて仕事が生まれるのかもしれない。

日本の演奏家の大半は別に生業があり、ライブは人件費や設備投資まで見ると赤字の活動だ。それでもライブをやるのは、ライブが楽しいからだ。その楽しさの要素は何なのかを分解して、ウェブ上に再構成してやれば、配信ライブハウスへの需要は絶対にあるはずだ。

追記:ライブBDなどのストックのライブ動画と何が違うのかと思う人もいるだろうが、観客がライブチャットでリアルタイムにバンドを応援する一体感や熱気は、単なるストック動画の視聴とは全く別の体験である。

コメント 2020-06-28 205715

BABYMETALの配信ライブ(映像自体は3年前のものだが)のチャットウィンドウは凄まじかった。見ていないがきっとサザンオールスターズや韓国のアイドルもそうだったに違いない。