Art Outbound Digest Vol.1

ご挨拶

 あらためて、Art Outbound Digest開始にあたり、主宰・加藤よりご挨拶させていただきます。

 Artという言葉には極めて多くの意味内容があります。

 もともとはラテン語のarsから来た言葉で、ものすごく広い範囲で意味を取ると「人が後天的に身に着けた技術やものづくりの手わざ、何かを達成しようとするときに用いるものの考え方、ふるまい」というようなものを指します。

 後天的に、つまり生まれつき出来ること(呼吸とか)ではなく何らかの学びによって出来るようになった何かで、しかも、それを通して別のもの・ことを生み出す何か。

 これが一番広い意味でのartです。

 あれ? 何か変だなと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 日本語の、カタカナの「アート」とは、意味内容がずいぶん違いますからね。私自身あまり真面目に調べてはいませんが、日本語の「アート」は「きれいなもの、わけのわからないもの、おもしろいもの」であればほとんどなんでも含まれるような状況かと思います。

 ですが、英語を始めとした欧米語の世界では、artはそのようなものではありません。広い意味では先ほど示したような「人が後天的に身に着けた、何かを生み出すための何か」ですし、狭い意味ではfine artつまり「芸術」です。

 そして、この意味内容のズレを理解している人が少なすぎることが、日本の才能が海外に進出する際の足かせになっているのではないか、というのが、このメンバーシップを私が始めた動機となっています。

 日本にはとてつもない才能を持つクリエイターが数え切れないほど存在しています。

 しかし、縮小を続ける日本社会にとどまっていては、彼・彼女らの才能はなかなか花開かず、お金にもなりません。

 このメンバーシップによって「アート」とartの違いを理解した皆さんが、素晴らしい作品をartとして仕上げて外国に売り込み、artistとして認められて、artistとして生活出来るようになること。

 それが私の願いです。

 このメンバーシップでは私は研究者でも批評家でもアートファンでもなく、事業開発支援コンサルタントとして、全てのEmerging Artistのart事業の成功という視点にこだわって、情報発信をして参ります。

 よろしくお願いします。

2:ピックアップアーティスト

 このコーナーでは毎回、日本では知られていないEmerging ArtistあるいはMid-Career Artistを取り上げ、そのキャリア展開の特徴と作品のマーケティングを分析します。

File 1 アナ・ウェイアント Anna Weyant

日本語での定訳が定まっていないんで、アンナ・ウェイヤントとかアナ・ウェイヤントで検索される方もいるかもしれないですね。

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