弓指寛治さん(と新藤淳さん)は描かせていただいたホームレスの方々を内覧会にお呼びしたのでしょうか?

西洋美術館の現代アート展、

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ

ウェブ世論では弓指寛治とパープルームの評価が高いようですが、弓指寛治の作品(山谷と上野のホームレスの絵をいっぱい描いてインタビューから抽出したフレーズを短冊に書いて貼ったやつ)、

「それをやるんなら、当然、フィールドワーク対象地域のホームレスの皆さんにお声掛けをして内覧会にご招待するべきですけど、そこはちゃんとやりきりましたか?」

ということを真っ先に考えました。

社会学や文化人類学のフィールドワークなら、成果物公刊前に調査協力者に漏れなく内容チェックお願いして、misrepresentationになっていないかどうか最終確認してもらうのが基本なんですけども。

そういう手続きを経ていないとすると、ちょっとその・・・微妙じゃないですか?

西洋美術館の入館料を払えて、そんでもって小難しいお勉強系現代アートを見て「考えさせられた」つってツイート出来る人たちだけが弓指寛治さんの作品を見てあれこれ言えるとしたら、そりゃあほら、搾取ってやつじゃないのかなあ。近代西洋の美術家たちがアフリカやオセアニアの方々を描きつつも作品を見せたりチェックしてもらったりしなかったってやつのパロディにはなるかもしれませんが。

いや、そういうのはパロディとは言わない。勉強不足って言うんだよ。

ちゃんとモデル料お支払いしましたか?

ちゃんと作品の公開前チェックしていただきましたか?

ちゃんと展覧会の招待券はお渡ししましたか?

内容について問題があると感じられた場合の相談先はお知らせしましたか?

“階段を上がったら弓指寛治さんの展示の世界が広がっていた。弓指寛治さんは他の作家さんのように西洋美術館所有作品や建築物との関係性を考えるのとは違い「上野という土地」との関係性を探っていた。”

超久しぶりに国立西洋美術館に行った。|Seina Morisako