マンガやアニメの原画展で稼ぐならちゃんとリスペクトせえよ、と

今や日本各地の美術館が「確実に稼げる鉄板コンテンツ」としてマンガやアニメの原画展を開催しているのだから、いつまでもマンガやアニメを美術史の外にある下位/従属文化(subculture)あるいは対抗文化(counter culture)扱いで済ますのは、学芸員やキュレーターの怠慢なのではないか?

これまでは、せいぜいがところ絵巻物や浮世絵との表現上の類似性に注目した立論しかされていないのではないかと思うが、それは作品の流通形態やメディアの特性や人材育成システムの違いを無視した、非常に浅いキュレーションでしかないと感じる。

音楽学で言えばモーツァルトとハイドンとJCバッハとビートルズとアンスラックスと澤野弘之はどれも機能和声を使っているから連続性がありますよね? と言っている程度の話だ。ポピュラー音楽学が出てきた1980年代後半でそのレベルの議論は終わっている。