今、スレッズはビジュアルアーティストがどんどん参加して異常に盛り上がっているんですが、そこで知り合って個展も見に行ったハタノワタルさん(多摩美大の油絵科卒)
現在は京都府綾部市黒谷という丹波の極めつけの山奥に本拠地があるんだけど、大阪に自社ギャラリー(自分の工房の作品だけを置くギャラリー)も持っているし、更に本拠地の黒谷で手狭になった自宅工房とは別にバカでっかい倉庫を改装して新しい拠点を作っているところ。
(名前どうしようって悩んでおられたので「基地でどうですか」と提案したら採用されてしまった。次はマジンガーZの大型フィギュア設置を提案中)
社員さんも何人も雇用している。
非デジタル系のビジュアルアーティストは売れれば売れるほど工房は大きくしないといけないので、どうしても拠点は郊外や田舎になる。
村上隆が埼玉県三芳町の物流倉庫を改装して24時間稼働の巨大工房を動かしているのはその極端な例だけれど、奈良美智も本拠地は那須で、今は美術館も併設している。
ビジュアルアーティストは地代が安い場所で制作して、都心やウェブで売るというのが基本。
言い換えると、「地方在住のまま大都市で収入を得られる職業」の一つの典型がビジュアルアーティストなわけで、本来、日本の「地域アートプロジェクト」がやってこなければならなかったのは、大都市のキュレーターに頼んで一過性のコンセプチュアルアートやポリティカルアートをやる人たちを呼んでイベントを打つのではなく、絵やスカルプチャの制作販売で継続的に稼げる(見込みがある)人を集めてきてコミュニティを形成し、人が人を呼ぶサイクルを回転させることだったと思う。
それが上手くいきつつあるのが別府や中之条や神山ではないか。
(別府と別の場所との二地域に拠点を構えている方にDMで色々とお話しを伺った結果、やはりそうらしい)
コンセプチュアルアートやポリティカルアートをマネタイズ出来るのは、金沢や東京や横浜のように常設の大箱があって万単位の来場者が常に計算出来る場所だけだ。田舎にアートの土壌を作るなら別のアプローチが必要だ。