アート・ファブリケーターとは

アート・ファブリケーター(大型現代アート作品の現物の制作を行う職人)についての記事です。

リクリット・ティラヴァーニャ、アリシア・クワデ、アニッシュ・カプーア、オラファー・エリアソン、マリナ・アブラモビッチ、みんな実際に作品を作っているのはこうした現代アート専門の制作会社と職人たちだという記事。

こうしたアート・ファブリケーターは極めて高度な専門職ですが、現代アートの世界では「存在しないことになっている」と。

“‘fabricators are usually not seen. And a lot of artists don’t really want them to be seen. That’s my impression. But they are so important, because most of the artists we work with don’t have the head space for [constructing their own work]. It’s not that they can’t; they simply shouldn’t. That’s why we called our company Stop Making Art. The [artists] should just have the idea and then we make it for them.’”

何故高度なのか。

村上隆の会社の動画を見るとわかるかもしれませんが、大親分は最初にふわっとしたイメージを出すくらいの時間しかないので、そのイメージをもとに作品のデザインのドラフトを作るコーディネーターが極めて重要になるわけです。カイカイキキだったらデータ部の鈴木風美さんですね。大親分はこのドラフトにフィードバックを入れていく。

そうやって「これで行くぞ」が決まったら実際に図案を作る職人、色を作る職人、支持体に描く職人へと作業が発注され、大親分が経過を見ながら更に修正を入れる。

つまり、アーティストの頭の中を整理して「こういうことですか?」という対話をしつつ、素材や製作方法の検討から発注、進行管理までやっているのが、職業としてのアート・ファブリケーター(のはず。会社によってやり方は色々でしょう)。

ちなみに私の仕事の中で結構大きいのがこの領域での業務です。