ルーブル美術館は古いもの専門、なおかつ自分のところのコレクションだけで成立しているので、現代アート作家の展覧会なんてものはやるわけないんだが、たまに日本人作家で「ルーブル美術館で展覧会やりました」なんてのをCVに書いている人がいる。
これのカラクリは簡単だ。
ルーブル美術館の地下から繋がった地下街に「カルーゼル・デュ・ルーヴル」というショッピングモールがあって、ちょっと広くなったエリアで見本市みたいなのが開催出来るようになっている。 そこで開催されるアートフェアというのがあってだな。何十万円か出せば誰でもそこに自分の絵を出せるのだ。
天下のルーブル美術館の入場口の真ん前が会場だからとりあえず人は入る。というか、通る。新宿駅西口広場イベントコーナーみたいなとこなので。 だが、何も知らない日本人に対しては「ルーブル美術館で絵を展示しました」なんて話に出来るので、トータルではプラスになることもあるらしいのだな。
パリのアートフェアというと普通はこういうのを指すんだけど。
日本にある法人が出展サポートをしているようなものは、ハードルは低いは低いんでしょうけれども、バイヤーの立場からは要注意だったりします。
メディア芸術祭打ち切りのときに「これが無くなると日本人作家が出せるのはアルスエレクトロニカしかなくなる」って論陣を張ってた早稲田の先生がいましたが、これも裏があって
アルスエレクトロニカは日本法人があって文化庁や博報堂や慶応大学ととても仲が良いのです。
コンペ部門のトップも日本人だし。
アルスエレクトロニカそのものは大変に有名なアートイベントですけれども、CV見て外国でのまともな実績がアルスエレクトロニカしかないような「メディアアーティスト」は、私はアスタリスクを付けて見ることにしてます。いくら日本国内ではスゴい人って扱いでも、だったら他の日本の資金の下駄が無いようなとこでも勝ち上がって欲しいんだな。
パリで展示会やりましたでスゲーってなるのは、例えばポンピドーセンターみたいな現代アート作品専門の館ですよ念のため。 ルーブル美術館で企画展示があるのは学芸員の研究成果を紹介するようなものです。こういうやつね。