平原インディアン諸族の間で19世紀末から20世紀初頭に多く描かれたLedger Art (レッジャー・アート、会計簿アート)というフォーク・アートがあるんですが、これはもともとは男性が描くもので、内容も白人との戦争についてのものが多かったそうです。
画用紙なんて無かったから家計簿みたいなのを1冊まるごと画帳にしていたんですね。
ちなみにこの頃に描かれたレッジャー・アートの大半は画商やコレクターがバラして売ったので、1冊全体で一つのストーリーになっていたはずのものも、今では文脈がわからなくなっているとか。
1970年代になると女性も民族の伝統形式としてレッジャー・アートを描くようになり、画題も戦争ものではなくなっていく。これはドロレス・パーディというカド・ネーションのアーティストの作品。
こちらはワケアー・ジャネ(Wakeah Jhane)。
フェミニズムの視点から女性のレッジャー・アーティストを研究した本も出ています。日本ではレッジャー・アートの存在そのものがほとんど知られていないみたいですが、見てみたいですね。どっかで。