ガンダム・エアリアル(水星の魔女の主役機)のメカデザイン担当のJNTHED氏はかつてカイカイキキ所属の現代アーティストだった

2011-15年ごろのことですが

カイカイキキがかつてPixivからスカウトした絵師が結局はデジタルイラストの世界に戻っていった(現代アートの世界に見切りをつけて)こと、美大芸大出身で一番稼ぐのはメジャー誌の人気連載を持つ漫画家であること

これを単に「ファインアートがポピュラーアートに負けた」と捉えるのではなく

まず画布とか油彩・アクリルといった伝統的画材そのものの権威性やビジネス上の都合を再検討した上で、例えばポピュラー8のファイン2くらいのバランスで創作するようなキャリアが当たり前になったら良いよね

デジタル絵が伝統的画材で描いた絵より劣るという論証は出来ないし(好き嫌いの話はいくらでもどうぞ)

自分はPixiv絵師たちは現代の浮世絵師だと思っていて、江戸時代の浮世絵が世界のファインアートに凄まじい影響を与えた歴史を思えば、Pixiv絵師たちの創作もファインアートの世界に大きな影響を与えるのは時間の問題のはず

たとえばアニメフィギュアの原型師という職業が今は完全に成り立っていて、学歴を見ると東京藝大の彫刻や油画出身の人もいっぱいいる。

多分他の美大の出身者も多いのだろうけど。
そういう人たちは、実は滅多なことではコピー出来ない凄い技術を持っている。

特に美少女フィギュアなんて私が子供の頃(1980年代)と今では技術力のレベルが全く違う。セルアニメの2D表現を3Dに次元変換する技術の進化が凄まじい。

同時に、あのジャンルにも特有の記号的表現がある。

この二つを流用してアニメキャラ「ではないもの」を作れば、それだけでも現代アートとして注目に値いすると思っている。ナダールやルイス・キャロルやドマシー、ザンダー、スタイケンらの写真を美少女フィギュアの記号で表現してみるなど。これはそうそう簡単にはパクれない。

Pixiv絵師が現代版の浮世絵師だと感じている大きな理由が「エロ」です。

ご存知かどうか、日本ってポルノ超大国で、あまり語られていないけどマンガもアニメもエロ、ポルノという要素は昔から今に至るまで物凄く大きな構成要素なんですね。コミケ、同人誌文化もそう。PixivもR18イラストの占める領域は非常に大きい。

で、これって浮世絵にポルノ部門(春画)があったのと同じ構造です。ポルノ浮世絵は今は立派なアート扱いで世界各地の有名美術館がコレクションに入れてるくらいですが、アダルト同人誌もいずれそうなりますよ。