日本政府がアイヌを先住民族として公式に認めるらしい

 先ほど、北海道ホクレアohanaさんから教えていただきました。

 北海道新聞によると、今の国会の会期中に与野党横断の議員連盟によって、アイヌを先住民族として公式に認める決議が行われる可能性が高いとのこと。

301 Moved Permanently

 現在の北海道知事は以前から、アイヌを先住民族として公式に認めるよう政府に求めたいという立場でしたし、最近になって鈴木宗男氏、民主党の鳩山幹事長、自民党の橋本聖子氏など大物議員たちも与野党横断で「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」を組織していましたので、案外その日も近いのかなと思っておりましたが、いよいよ現実味を帯びてきたようですね。

 今のところ、国会で決議案採択→政府が首相か官房長官の公式コメントで認めるというシナリオのようです。これは立法措置(アイヌを先住民族と認めると明記した法律が制定される)や最高裁判例(アイヌが先住民族かどうかが争われた上で、最高裁の判決によりアイヌを先住民族として認める法解釈が確定する)よりは法的には弱いですけれども、アイヌの権利回復には大きな一歩だと思います。

 とはいっても、アイヌの権利回復とは具体的に何なのか、これは非常に解りづらい問題です。実は私自身も、よくわかっていません。ですから、先住民族サミットにご協力することになった時に、事務局長の結城さんに「アイヌの皆さんは具体的に何がどうなった時に、アイヌの権利が回復されたと考えるのか、(そのうち)教えてください」とお願いしてあります。我ながら意地悪な質問だとは思っていますが、これも大事なことだと思うんですよ。

 この国会決議案もそうですが、日本にはアイヌを先住民族として認め、同胞としてその権利回復に協力したいと考えている人々が結構沢山居ると思います。そして、今回こういった形で一番大きな枠組みとして、アイヌは日本列島の先住民族であると認める流れになった。この先には、じゃあ具体的にはどういった手順で、何を目指すんだという話が待っているはずです。

 そうなると、まずは当事者であるアイヌの方々が、自分たちは先住民族として、こうなることを望んでいるという希望を語らなければ始まらない。もちろん、これまでにもアイヌの方々は散々そういったことを語ってこられましたけれども、実はグランドデザイン、日本という国の枠組みの中で、アイヌがどのように民族の独自性を維持しながら、彼ら以外の日本国民と共存共栄をしていくのかというレベルの話は、案外少なかったように思います。個別の案件を処理していくことで手一杯だったということもあるのでしょうが・・・・。

 ですから、再来月の先住民族サミット、これはアイヌと日本の新しい時代に向けたグランドデザインを考える為の出発点にもなりうるのではないか。そのような期待が私にはあります。

 ともかく、まずはこの国会決議が実現することを願いましょう。