ドラえもんの映画を見た帰りに本屋に寄ってノベライズ版を買ったのですが、その時ついでにこの本も買ってみました。
しかし、本のチョイスにはえらく難儀しましたよ。
そもそもはこういう会話が発端です。
息子「中学の数学って、算数と違って、習ってない解き方で解いても文句言われないはずだから、楽しみなんだよ。」
私「(だと良いけどなあと、やや懸念を懐きつつ)じゃあ中学の数学の本、なんか買ってみるか?」」
息子「俺がまず知りたいのは、式の読み方なんだよ。」
しかし、いざ中学の数学棚に行ってみると、そこにあったのは、ドリル(またお前らか!!!)と、パターンマッチングでドリル問題の解答速度を上げるためのハック本(昔ながらの試験対策参考書ね)。
はい。全然ニーズに合わない。電子計算機登場以前の日本光学の計算職人(算盤と対数表で光学設計の計算をする専門のお姉さんたち)育成を彷彿とさせます。PC-6001も滅多なことでは買えなかった私の中学時代から何の進化もしていない数学科教育の世界がそこにはありました。
欲しいのはそういうもんじゃないんですよ。
数学とは何か、その本質と価値を平易な言葉で解説してください。
その上で、数式の読み方を、数学の本質と一つひとつ紐付けて解説してください。
ドリルは要りません(コンピューターにやらせろよもうそういうのは)。
パターンマッチング系のテストハックも要りません(コンピューターに以下同文)。
日本の出版界は、幼児教育や初等教育段階では、ビジュアルも駆使して教科の本質に迫るような本を数えきれないほど出しているのに、何故か、何故か、中等教育段階になると、ドリルとハック本しか出せていないのよね。
ヤングアダルト対象の良質な学術書のレーベルとしては「ちくまプリマー新書」があって、こちらは大学以上の学問における個々の専門分野を中高生向けにわかりやすく解説していて素晴らしいのですよ。
しかし、中学や高校の各教科を、試験対策ガン無視で、その本質の理解だけに絞って語るレーベルって、ありましたっけ?
(ブルーバックスは違うからね先に書いとくけど)
しょうがないので、次善の策として、大人向けの「学び直し」系の棚から、息子がまあこれならというものを選んだのでした。なんとかならんもんかいねえ。教科教育学の研究で給料もらってる人たち、仕事しろよ。
早速、小学校でヒマな時間に読むとかいって学校に持っていった模様です。