小中学校の校内PCの管理は児童生徒の中でホワイトハッカーを育成して任せれば良いと思うぞ

Z会の人が分析した、何故日本の公立小中学校は脱インターネットエクスプローラーが難しいのか問題。

なぜ学校のコンピューターはIE縛りなのか?
 いきなり結論を物凄くざっくりいってしまうと
 出来るだけ使い道を限定し、検証・運用の手間を削減するため
 だと筆者は考えています。
前者の「使い道の限定」には、
1)児童生徒が想定外の使い方をしたり、大人からすると想像できないほどコンピューターに詳しいような児童生徒が良からぬことをやってしまうことを極力防ぐ
2)コンピューターに詳しくない先生や生徒が操作の上で迷ったり困ったりすることを出来るだけ減らす
など、いくつかの理由があります。また、後者の「検証・運用の手間を削減」については
3)学校や教育機関にPCやソフトウェアなどを提供するベンダーは「その環境が提供されたハード・ソフトの組み合わせできちんと動作するかどうかを検証する必要」があり、さらに「組み合わせのパターンが増えると、その検証の手間(工数という言い方をします)が2倍、3倍と増えていく」
例:IEに加えてChromeを入れると、学校でよく使っているWeb サイトの動作点検を両方のブラウザで行う必要があり、手間が倍になる
4)検証に加えて、提供したサービスが何らかの原因で「動かなくなった」場合、その原因となり得る要因が増えるので、障害の切り分けの手間が増える(運用の工数が増える)
例:「インターネットがみられない」といった漠然とした質問がきて、その原因究明のためにまず「どちらのブラウザを使っているのか?」といったヒアリングをし、それぞれに応じた対応方法の案内が必要(場合によってはマニュアルも2パターン必要)

内容をまとめると

1) 児童生徒に機材ハックを絶対にさせないためには、IE以外使えなくした上で、その「IE縛り環境」そのものを日本の学校専用の無菌環境維持ソフト(笑)で厳重にガードしておく必要がある。

2) IE以外のモダンブラウザ(クローム、火狐、エッジ)を入れられるようにすると、無菌環境維持ソフトを作り直さなければいけないのでコストがかかるからベンダーはやりたくない。

3) 無菌環境維持ソフトを廃止すると、校内のPCの中身が把握出来なくなるので、サポートコストがハネ上がるから、ベンダーはやりたがらない。

4) 現在の日本の公立学校のPC調達は5年契約のような長い契約なので、契約当初にはよもやScratchのような圧倒的なデファクトスタンダードが降臨してIEを過去の汚物にしてしまうとは思っていなかった。

では、現状はしょうがないのか?

お前ならどうするのか?

はい、俺ならこうする案を考えてみました。

まず、実現すべきなのは

A) 児童生徒全体のICTリテラシーの向上

B) プログラミングを活用したSTEM教育の充実

だと認識します。

私が問いたいのは、このために無菌環境維持ソフトの導入は必須ですか、ということ。

リンク先でも指摘されていますが、学校を一歩出れば児童生徒も我々も、エログロコンテンツやウィルスが当たり前に飛び交っているネットワールドを生きねばなりません。

そこからして、無菌環境でのICT教育など一体何の意味があるのかと。幼稚園ならそういうのも大事だとは思いますけどね。

なので、私ならまず無菌環境維持ソフトを廃止します。

ここで無菌環境維持ソフトのコストが全部無くせる。

じゃあモダンブラウザ入れて児童生徒に好き勝手にハックさせるのか?

YES

その通り。

むしろ児童生徒の力を借りるんですよ。

手順はこうです。

まずは校内の児童生徒で勇士を募り、校内のPC環境の維持整備委員会を結成します。

次に、我が校のPC環境はどうあるべきかを児童生徒で話し合って、メンテ基準を作ります。

アプリやゲームをインストールする際の基準や手続き。

ルール違反の状態になっていないかをチェックする仕組み。

情報公開の方法。

そんなこと出来るのかって? 多分出来ると思います。

例えば息子の小学校で考えると、6年生でPCの筐体を開けて中身をいじるレベルの児童がおよそ30人に1人くらい。このレベルになると、無菌環境維持ソフトの無効化手段もこっそり発見してたりします(笑) つまり、校内最高レベルのハッカーに対しては、無菌環境維持ソフトも効果は限定的ということだな。
ですが、このレベルのホワイトハッカーを味方につけて、彼・彼女らが校内CTOになってPC管理の技能や知識を研究・伝承していけば、安全第一の無菌環境ベンダーや、Officeくらいしか使えない教員に任せとくよりよほど安全で安心で安定でしょう。しかもベンダーに払っていた無駄金でもっと良い機材を入れられるじゃん!

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