福島市が市内の文教施設に設置した現代アート作品が、ツイッターで炎上しています。
福島で炎上したのではなくてツイッターで炎上したと私は思いますけどね。だって「サンチャイルド」を執拗に攻撃している菊地誠や井上リサや石井孝明といった人々は福島市民ではない(福島県民でもない)ですから。
「サンチャイルド」を攻撃しているのは、東日本大震災の後の放射能デマを批判した人々の一部です。当時、雁屋哲や小出裕章、飯田哲也などが盛んに放射能の危険性を誇張して吹聴し、そのせいで福島産の農産物や漁業製品は全く売れなくなってしまいました。もちろん福島の観光産業も甚大な風評被害を受け、福島県どころか茨城県から青森県の間で膨大な経済的被害が発生したわけです。
今でも思い出すのは2011年のホワイトデーですよ。3/14だから震災発生の3日後ですね。息子がバレンタインデーにチョコをもらっていたので、幼稚園の年長のおねえさんの家にお礼のクッキーを届けに行ったら、家がもぬけの殻でした。
福岡に引っ越しちゃったそうです。いきなり。
他にも子供を連れて西に行っちゃった知人はいましたね。
東京でさえそんな感じだったんで、福島県はそりゃあ大変だったですよ。そのときに福島市から東京に移ってきた友人もいるしね(ただし彼はその後も毎月、福島にプロボノで通い続けています。今も)。
あの放射能デマには私も当時から明確に「それは間違っている」「科学的に考えるべき」と発言してきました↓。それで友人も何人か失いました。
なので、放射能の危険を誇張して語る言説には私ははっきり反対しています。
ですが、今回の件はそれじゃないと思います。
批判派の論点は
A) 作品は防護服を着ているが、福島市で防護服が必要だったことはないから、これは間違った情報を広げる
B) 作品の線量計は000という数値が書かれているが、どんな場所にも自然に放射能はあるので放射線量ゼロはあり得ないから科学的に間違っている
C) この作品によって精神的に被害を受ける市民が発生する
D) この作品によって再び風評被害が発生する
E) 福島市民の中での合意形成が無いまま設置したのは問題である
F) 飯田哲也が自分たちの団体が寄贈したと言っている。とすればこれは放射能デマを吹聴する集団の陰謀の一角である。
だから、作品を撤去すべきというものです。
私はAとBについては、科学館に設置された原発事故について解説する展示ならばともかく、特に福島市を想定して制作されたわけでもない現代アート作品にそうした科学的厳密性を要求するのは筋違いだと思うので、問題無いと考えます。
Cは実際にそうならば対応も考えねばなりませんが、まずは科学的に正確な(査読付き学会誌に掲載されるレベルの)医学的あるいは心理学的調査を実施し、その被害が実際に存在することを証明するのが先決かと思います。
Dは実際にそうならば既に生鮮食品や宿泊、観光地のチケット売上、入り込み客数などの数字が動いているはずなので、そうした数字を出して議論しなければ、放射能デマと同じ、科学ではなく思い込みや希望で政策を論じる愚にハマると思います。
Eは福島市長の決裁があってのことなので、制度上の正当性はありますが、市議会であらためて議論するにこしたことは無いと思います。
Fは飯田哲也の一方的な主張なので、それ自体がいつものデマの可能性があります。飯田哲也がデマを平気で流すことは誰よりもご存知の方々が、何故今回は飯田哲也の主張をそのまま事実と認定しているのか私には理解出来ません。
要するに、放射能デマに対応したときと同じく、今回も科学的に、そして民主主義の制度の中で、今後のことを考えるべきであり、とすればまずは福島市の市民のみなさんが当事者であるから、外野はそろそろ静かにしましょう。ということです。
あ、そうそう、我が家は去年の夏は10日間ちかく福島県を旅して来ましたが、どこも人人人。キャンプ場なんか全然空いて無くて焦りましたわ。
会津若松城
喜多方ラーメン
沼沢湖
いわき市
いわきの海