いよいよ今週末から、立教大学社会学部現代文化学科加藤ゼミの企業インターンシッププログラム・プリプロダクションミーティングが始まります。初回の議題はこれ。
課題1:大学の存在価値について これまで皆さんが大学で学んできたことの殆ど全ては、********株式会社における各種の仕事と直接の関係を持っていません。それでは、大学とは何の為に存在しているのでしょうか? 有能な職業人になる為には大学など辞めて今すぐ就職した方が良いのではないでしょうか? 皆さんが過去2年間で学んだこと、そして今後2年間で学ぶことは、大学卒業後の職業人としての人生においてどのような価値を持つと考えられるのかを、それらが何らかの価値を持つという前提に立って、その理由を論理的に説明してください。(1200字以上2400字以内) 提出期限:3月5日22時 グループディスカッション:3月6日13時-17時 ※レポートは全て********株式会社人事部に提出されます。 ※注、参考文献の書式は『社会学評論』スタイルガイドに完全に準拠すること。 ※用紙はA4、フォントは明朝体12ポイントを使用すること。 ※1行40字×30行で作成すること。 ※副読本として西村佳哲『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫、2009年)を推薦しておく。ただし副読本にレポート中で言及する必要は無い。
インターンシッププログラムの事前学習でよくあるビジネスマナー講座や企業文化研究講座は大学がやってるやつを使うとして、それ以外にこのプログラム限定のレポートとミーティングが5本。テーマは全て社会学の範疇に入るもので、もちろん先方との打ち合わせを経て決定したものです。初回の講義ノートにはベルクソンとか石田梅岩とか孔子とかの名前が出てきますが、どういう文脈でどういう話をするのかは内緒(笑) もちろん日中欧の哲学者たちの思想を紹介するだけじゃなくて、KJ法やブレストのテクニックも教えますし、発声法や姿勢、歩き方も必要に応じて教える予定です(元演劇部)。全部ボランティアですが(笑)。二度目があると思うなよお前ら。
それにしてもこのテーマ、自分で考えておいて言うのも何ですが、難しいですね。学生たちはどんな答えを出してくるのでしょうか? 自分の学生時代を振り返ってみると、う~ん、どうなんだろうなあ。青木康先生や三井徹先生の講義で学んだことは、翻訳の仕事には本当に役だったと思いますが、これは特殊な事例だろうなあ。
とはいうものの、これはたった一つの正しい解答を導き出す学習ではなく、単一の答えが出せない難問に自分なりの答えを出し、更には他人の出した答えと自分の出した答えを突き合わせて、より深い考察に進んでもらうための公案みたいなもんですからね。私は私で何種類かの解答例を考えて講義ノートに起こしてありますが、それもまた、彼女らの思索をより深いところに引きずり込む為のきっかけでしかありません。借り物の答えでは実弾が飛び交う戦場を生き抜くことは出来ないでしょう。自分はこの答えと心中出来るという覚悟を持てないとね。
私の用意した解答例とか、学生たちの出してきた解答などは、また時間が出来たらご紹介します。