リスクゼロ=リターンゼロ

昨晩は外資系IT会社を中心に就活をして、一応内定ももらっている学生から「外資は整理解雇も多いですが、リスクあるでしょうか?」というような相談がありました。

この学生と少し話して気づいたのですが、彼はリスクを「キャリア破綻の可能性」と捉えているようです。一方、私はリスクを「サイコロの面の数」と考えています。例えば4面体のサイコロなら、振って出る目は1から4の4種類。6面体なら6種類。12面体なら12種類ですね。なので、「リスクの無い未来など無い」ということになります。リスクがゼロであるとは、リターンもゼロであるということですから、そもそも未来という概念と対立してしまうのです。

サイコロの面の数が増えれば当然、リターンの幅も広がります。4面体よりは6面体、6面体よりは8面体の方が、大きなリターンから小さなリターンまでの幅は大きいでしょう。

すなわち、ハイリスクならリターンの最大値は大きいし最小値はとても小さい。

ローリスクならリターンの最大値と最小値の差はあまりない。

あとは、自分がどれだけリターンの幅を許容出来るか。そこだけです。そして、そのリターン幅が妥当かどうかを判断するのは本人の価値観だけ。だから「リスクありますか?」という彼の問いそのものが、私には答えようが無い問いなのです。2重に。

リスクとリターンは常にセットなので、「リスクが無い=リターンは無い→それは未来じゃない」となる。そしてリスク幅の許容量は私ではなくあなたが決めること。

なので、「自分で判断しなさい。それが良い訓練になる」とだけ答えておいた私でした。実際そうだと思いませんか? 自分がどの程度のリスクを許容出来るのか、隠れたリスクは無いのか、それを全知全能を使って調べて考えて決断する。賭けられているのは自分自身の人生。こんな成長機会は滅多に来ないですよね。