ノー・コンプロマイズの果ての風景

 普天間基地移設問題を興味深く眺めています。

 この問題に直接関わる方々が一様に見せる「妥協は一切拒否」の心性はどこから来ているのかと。どこへ向かうのかはもう分かっているんですけどね。ゼロゲインです。何も手に入らない。

 特に不思議なのが沖縄県知事さんの動き方ですね。県外移設一点張りで交渉の余地無しという姿勢を鮮明にしておられる。でもどうなんですかね。それ。私には「普天間基地は永遠に移設先検討中」への道をアクセルべた踏みで突っ走っているようにしか見えないんですがね。

 だって考えてみてくださいよ。これまで国内で候補地の噂が立ったところは全部、ほとんど即日の勢いで、地元議会が移転反対決議案を全会一致で採択してます。それでキャンプ・シュワブ陸上案も断固拒否となると、結局、普天間基地はどこにも持って行きようが無い。そうこうしているうちに首相が別の人になっちまった日にはあなた、こんなに沖縄県知事の顔を立ててやってくれる人なんか絶対もう首相にならないですよ。社民党が与党でいられるのもせいぜいあと数年間だし。

 普天間基地問題だけじゃありません。地方自治の場でも、ノー・コンプロマイズで徹底的に突っ張り続けて元も子も無くすタイプの議論があちこちで見られると思います。ノー・コンプロマイズで得をするのは、合意形成の成立を妨害することが利益になる人たちだけなんです。

 妥協のしかた、皆さんはどこかで勉強されましたか?