「社会調査士にはしてやらないぞ~」

 来年度の3年ゼミが社会調査士(民間の団体が認定している資格。国家資格ではない)の認定の為の科目だとかで、レジュメとは別に認定団体が要求する細かい内容の科目説明を書かされていたのですが、昨日になって「この内容じゃ認定できないから差し戻しだ」という偉そうな連絡が参りました。

 調査フィールドの予備調査と選定のプロセスから学生にやらせるという内容だと「行き当たりばったりだからダメ」で、最初から調査フィールドを明記しておかないとダメなんですって。

 バッカじゃね~の?

 なんて汚い言葉は私は使いませんよもちろん。でも色々と思うところはあります。これって結局、学生にとっちゃハードル下がるだけじゃないの? とかね。彼らが社会人になって後、イチから新しいプロジェクトを立ち上げろと言われることもあるでしょう。それはきっと出来ると思いますよ。上司の指示で方向性は出ているのだからね。でも、ゼロから何かを創造していこうという発想が彼らの中から出てくるかどうか。この違いは大きいと思います。

 たしかに偉い社会学の先生方は社会学の枠組みの中で立派な研究業績を積んで偉くなられたのでしょうから、そのご指示はある程度尊重したいですけれども、私は社会学者を育てているのではなく、既存の枠組みからいつか自力で飛び出して、新しい枠組みそのものを創造していける人材を育てているつもりです。その為に 2年次からじっくり鍛えたメンバーを核として、彼らが耐えられる限界ギリギリの負荷で入念にデザインしてある講義計画です。

 その計画を、なんだかよくわからない民間認定資格の要件の為に緩めろとはこれいかに?

 学者の世界っておもろいわ。