二つの課題

昨年度、出席や課題の提出状況が悪かったので「お前はもう留年させる」と宣言した4年生がおりました。結果的には学科長以下、専任の先生方が羽交い締め的に私を止めて、最後は本当に悔し涙で号泣しながら単位を出して卒業させたのですが、その時、その学生と、ある約束をしました。

あなたを卒業させる代わりに、自分は二つの課題を出す。一つは学科に提出するものなので、これを出さなければあなたは卒業出来ない。もう一つは私が個人的に出す。これを出さなくてもあなたは卒業出来るが、もしもこれを出さない場合、自分は加藤に指導を受けたとは誰にも言わないで欲しい。私もあなたの存在を忘れることにする。

二つ目の締め切りは3月31日でしたが、この学生はきちんと約束を守り、二つ目の課題も出してくれました。メールにはこう書かれていました。

「本当に、本当に感謝しています」
「長くなってしまいましたが、1年間ありがとうございました!!
(卒業式の日に直接言いそびれてしまったことが心残りです;;)」

私自身、まだこの経験を上手く消化出来ていないのですが、高等教育も最終的には教える側と教えられる側の信頼関係が大事なのかなと、漠然と感じています・・・・