アニソンはアートではない! 

今日の2年ゼミではグループディスカッションとプレゼンの練習をしました。テーマは「アートとデザインの違い」で、これは4月の読書課題の原研哉『日本のデザイン』、5月の読書課題の佐々木健一『美学への招待』、そしてこれまでの制作課題の経験を踏まえたもの。

まずグループディスカッションのやり方として、ブレインストーミングとKJ法というシーケンスを教え、4名×3チームでのGDとプレゼンという流れ。美学のテキストが佐々木健一なので、アートワールドとかアートビジネスという視点は出て来ませんでしたが、なかなか良い議論をしてくれました。

例えば「坂本真綾と菅野よう子のアニソンはアートなのかデザインなのか」というケーススタディでは、「まずはデザインである」という答えが返ってきましたが、これはきちんとデザインの概念を把握しないと出てこない答えです。デザインについてはしっかりした理解を定着させられたと思います。

また、授業時間内には出てこなかった(いつもギリギリまでびっちりやっているので)意見ですが、デザインとアートをハイデガーのZuhandenheitとVorhandenheitという対概念で解釈することは出来ませんかというような質問も後からフェイスブックで届きました。

ハイデガーはこの対概念とは別にゴッホの絵を題材にした芸術論を書いているので、そちらも参照した上でないとその議論は進められないと答えておきましたが、いずれにしてもこういう学生たちを教えられるのは、彼女/彼らの言葉を借りれば「テンション上がります」ね。