院試を受ける前に考えて欲しいこと。教育者として生きる覚悟はありますか?

この時期、就活せずに院試を受けるという学生も何人かはおります。中には研究者として生計を立てることまで考えている者もいます。ご存じのようにこれからの日本で研究者として生計を立てるというのはハイリスクローリターンで、個人の生き方としてもリスキーなのですが、問題はそこだけではありません。

文系研究者の大半は大学教員として生計を立てるというのが実情です。運良く専任になれる人もいればそうでない人も沢山いますが、いずれにしても大学教員とはまず教育者なのです。特にゼミ指導を担当する場合、学生の人生のある部分まで背負う覚悟が必要になります。日本の大学のコア事業ですから。

自分は将来、教育者として学生たちの人生を背負って仕事をする覚悟はあるのか。研究者として生きようということを考えている学生の皆さんは、この問題について真剣に自分と対話していただきたいと思います。(さっきも教え子にこういう話をしました)。

ちなみに、先日のヨシオカフェでの吉岡総長の談話の大半はしごく真っ当だと思いましたが唯一「もう大人なんだから」というフレーズだけは狡いと思いました。日本の学生の大半は大人じゃありません。半人前です。それは教員もよく分かっているくせに、大人扱いすることで自分の責任を軽くしているように感じます。