花田十輝の脚本の評価が異常にインフレしているのを見て、おそらく(アニメに限らないんだろうけど)現代のストーリーコンテンツは「号泣したい」ニーズが非常に大きくて、そのために最適化された演出やストーリーテリングへのニーズが巨大なんだろうと思いました。
これは「小説家になろう」やエブリスタ、カクヨムなどに投稿されるウェブラノベで(タイトルガチャと併せて)バズるテクニックとも共通する話で。
読者の感情の動きを意図的にコントロールして、「はいここ泣くところです」というシグナルを、ある種のフラグとテンプレのセット構造で示す。読者はそれを受け取って「そうか、ここは思う存分泣いて良いんだな」と理解する。
「良質なストーリーコンテンツを見たい」
ではなく
「手っ取り早く思う存分号泣したい」
がニーズなので、細かい伏線や演出も全部「泣かせ」を意図して仕込まれる。
号泣トリガリング機能がわかりやすくなおかつダイナミックレンジが広ければ広いほどウェブで拡散される。ユーフォ3期の感想なんて「泣いた」「号泣した」「涙ボロボロ」ばっかりですから。
鬼滅の映画で煉獄さんが果たした役割もまさにこれ。
たぶんゲームシナリオライターという職種も今はこのプレイヤーの感情コントロール技術の高い人が求められているんじゃないかな。
私はあまりにも見え見えであからさまなものには冷めてしまうのですが。
(ダメとは言ってません。単にそういうビジネスが成立しているという話)