フェイスブックのタイムラインを辿ったら、自分が初めての小説を書く下準備を本格的に始めたのは今年の2月下旬だったことが確認出来た。
最近またヒマになってしまったので、ラノベのプロットや設定を作ってます。
いつかしてみたいラノベ作家デビュー。
昨日は作品のテーマ、主人公の設定、舞台となる世界の国制や法制、宗教、文化、技術レベルなどなどを思いつくままにノートに書いてました。1日でノート20ページくらい埋まったかな。
舞台となるのは竜も魔法も存在しない世界の、とある連合王国。戦争の主役は火縄銃とパイクによる密集戦闘であり、白馬を華麗に駆って戦場をノーヘルで走り抜ける騎士は5分以内に火縄銃で撃たれて死ぬ世界。
主人公は高等教育を受けたエリート階層ではあるものの、口と性格があまりにも悪いので仕事らしい仕事も無く毎日、本を読んで日記を書いているだけの遊び人。
エリート官僚となった学校の同期の友人に呼び出されるところから話は始まります。
「連合王国の国家プロジェクトとして進めている新しい貿易港の築造工事が全然進まない。お前ヒマそうだからちょっと様子を見て来てくれ。任期付き公務員で雇ってやるから」
王宮前の広場で知り合った無口な傭兵とともに現地に向かった主人公を待ち受けていたのは、大貴族や市参事会の思惑が交錯する大炎上プロジェクトでした。本国とは歴史も違えば法律も文化も言葉も違う完全アウェーのシチュエーションで、主人公は見事に毒をもって毒を制すことが出来るのでしょうか?
3月に入ってからは毎日のように、ここまで書いたという進捗をアップし、4月には日本ファンタジーノベル大賞を目指すと宣言。
GWに取引先の課長さんだった人の退職記念キャンプに行った時、「加藤さんまた変なこと始めたなと思って見てたんですけど、ここまで本格的にやるとは思いませんでした」と笑われた。
5月末には1作めを書き上げ、周囲からのフィードバックを貰って6月に新潮社に送った。
投稿が終わるとすぐに、今度はエブリスタのこのコンテストに出すとフェイスブックで宣言して、それも8月上旬に応募完了をフェイスブックで報告。この頃になると飲み会でも「加藤さんいつ文学賞取るんですか」「今日は加藤先生の受賞の内祝いですよね」などとネタにされるようになる。ちなみにこうやって私をいじってくれた一人はAmazonのシニアマネージャーだったりする。彼のお姉さんは映画プロデューサーとして大ヒット作を連発していてウィキペディアに項目まで立っている。いつかお姉さんに俺の小説を映画化してもらいますよ、と言えるほど当時は自信は無かった。
だが「加藤さんは小説家で成功するって確信してますから」とか三井の営業部長に真顔で言われると、もはや後には引けない。進むしかない。そんなこんなで実名顔出しで、どのコンペに応募したかまで完全公開で7ヶ月が過ぎた。先日エブリスタのコンテストで3位に入ったことをフェイスブックで報告した。すると、凄まじい勢いでいいねが付いた。おめでとうというコメントもいっぱいもらえたし、何年も話をしていなかった友人からもおめでとうとコメントをもらえた。普段仕事や育児に追われていて忙しそうな教え子たちからも。みんなそれぞれの居場所から見守っていてくれたということだ。
1作めをとても面白いと言ってくれた某商社の専務さん、優しい人だからきっと盛り気味で褒めてくれてるんだろうなあ、頑張らなきゃなあと思っていたんだけれど、我がことのように喜んでくれて、いや、まだまだこれからなんです、小さなマイルストーンを越えただけなんですと慌てて説明した。
実名・顔出しで何かに挑戦することのメリットはこれだ。本気で挑戦していることが伝われば、応援団は必ず現れる。自分はこれをやりたいんだ、本気なんだと表明して、コンスタントに進捗を報告する。大学の教え子でプロフォトグラファーとして一人前になった連中は全員そうだったし、役者になってそろそろ一人前になりつつある奴もそう。
もちろん、何かの鬱屈を吐き出す先として匿名で創作をするというのも大いにアリだ。だが自分はそれではない。吐き出すのは鬱屈ではない。夢だ。
だから実名顔出しで行く。