劇団 江戸間十畳 本公演VOL.10 宮益坂演劇祭り「岸田國士集」

教え子の舞台見てきました。

今回は業界人向けのショーケース公演という意味合いも強いそうで、當瀬このみの芸の幅を積極的にアピールする感じの演技。

公演の後は、本当に久しぶりに一緒に食事に行って(たしか青年座の卒業公演直前にマクドナルドでメシをおごって以来)、終電直前まで、創作や表現の話で盛り上がりました。

青年座研究所でよく當瀬このみと組んでいた橋詰高志くんも出ていて、おお、この感じ懐かしいとちょっと感動もしました。卒業公演の「明日」でも夫婦役やってたんだよな。

それぞれのパートについて寸評を書いておきます。


 

「モノロオグ」

當瀬このみの一人芝居です。當瀬の表現の幅を目一杯使い切った演出でした。個人的にはちょっと色々やらせすぎかと思います。テンポも上げすぎかな。彼女本来のリズム感より2段くらいアップしてました。本来は沈黙をもっと上手く使える女優なんで、もったいなかったかな。戯曲のほうはかなりクドいんですが、なにしろ87年前に、19世紀生まれのおっさんが書いたものなんで、よくも悪くも古典ですよね。現代的でないのはしょうがない。こんな女の子、いまどきいねえよって。

「屋上庭園」

當瀬と橋詰くんが出てきただけで青年座研究所の世界になってしまった(笑)

これも演出がかなり押せ押せタイプで、主演の永田くんの演技がクドいんですよ。無駄にテンションが高い変な人にしか見えない。あおり運転で逮捕される人たちみたいなね。もっと引いて、もっと間を使った演出が好みだなあ。最後のシーンだけ突然、現代のテレビドラマみたいな演技になるんですよね。これも唐突で変。

戯曲は、中途半端に古いのがあかんのですかね。何百年も前の戯曲なら別の世界の話として見られるんだけど、デパートの屋上でってなると、こんな奴はいねえよってなっちゃう。93年前の作品です。

「紙風船」

これは94年前の作品。女優の山城唯さんの演技はなかなか良かったと思います。男優の小野響くんは、なんか滑ってた感。年上のダンナという設定なんだから、もっと落ち着いた感じでやった方が良かったのでは。


 

あと、もうひとつ嬉しかったのは、彼女が青年座研究所にいた時代に作ってあげた大型トートバッグ、ずいぶん使い込まれた感じで今日も彼女の肩にかかっていたこと。もう2年近く前ですからね。

「これすごい便利なんですよ~」

って言ってくれました。

自分の設計・製作したバッグが常に100点の出来になるわけではない、これは当たり前のことですが、キャンバストートバッグであそこまで使い込まれていたら、相当に良い設計だったと言えます。

ちなみに市販品では見たことがない設計です。

また同じの作ってあげる約束をして別れました。