「うちのクラスには出木杉ちゃんがいてな、いつも百ます計算を2分以内に終わらすんだよ。」
「そりゃ大した曲芸だな」
「授業中に誰も答えられないと先生が最後に出木杉ちゃんを当てる、先生の切り札なんだよ。」
「あー(苦笑) 父ちゃんはそういうのを散々見てきたよ。」
「それでどうだった?」
「大人になって一流の人間になった奴は一人も思い浮かばないな。良いか、一流の人間ってのは言われたことを器用にこなすだけの奴じゃ無い。誰も考えつかなかったようなものを思いついて、それを実現させられる奴が一流なんだ」
「じゃあ出木杉ちゃんは二流だろうな。そんな気がするよ。」
「お前、口悪いな・・・」
俺たち悪役商会ですから。