今日は最後の4年ゼミでした。卒論ゼミ最終回は口頭試問のリハーサル。それぞれ自分の卒論の内容を3分程度で口頭プレゼンし、他のゼミ生が改善点を指摘するというワークショップをしました。多くの学生が途中で白くなり、ナヴィゲーションが出来なくなり、よれよれになってプレゼンを終えました。やってみると、案外難しいんです(笑)
でも、一度こうやって白くなる経験をしておけば、本番ではもう少し上手に出来るでしょう。
その後、学生たちは慰労会へ。私は午後も講義があるので泣く泣く不参加・・・・
このゼミも限界まで頑張りきれた人、まあまあ頑張った人、頑張りきれなかった人など様々ですが、この8ヶ月の経験をそれぞれ糧にして先に進んでくれることを心より願っています。
私の友人には大学を出るのに8年かかった人(文学部)もいれば、5年かかった人(法学部)もいます。修士課程や博士課程に入ってはみたけれど、自分の研究をまとめられずに空中分解していった人も沢山見てきました。立教で最初に教えたゼミにいた野尻くんも1年間休学してNPO活動に取り組んでいましたから、卒業は来年3月。
私自身も、学部を出てから修士に入る迄に3年間、修士を出て博士課程に入る迄に1年間の浪人生活を経験しています。では、その浪人の時期が今どういう意味を持っているのか? 修士に入るまでの3年間、企業社会で学んだことは今、ゼミ運営で圧倒的な強みになっていると感じます。組織運営のやり方、若者の素質や特徴を短期間で見極める目、学外の教育パートナーの方々とのコミュニケーションなどなど、あの3年間の経験無しではあり得ません。
また、博士課程に入る前の1年間、じっくり家で読んだ古典的学術書や雑多な本もまた、博士号を取るための下地処理として大きな意味がありました。同期で博士課程に入った人は私と川久保亮くん以外にも4人いましたが、結局、博士号を取るところまで行った人は私と川久保くんだけだったと思います。誰にも頼らず、自分で学びを進めることが出来なければ、人文系の博士課程で博士論文を書き上げることは出来ません。博士課程前の浪人の1年間こそ、その「自ら学ぶ」能力を身につけさせてくれたのです。
ちなみに、大学を出るまで8年かかった友人は今、三菱商事ロジスティクスの市川物流センターでセンター長をしています。そして私のゼミ生たちを今年、インターンシッププログラムで一緒に育ててくれました。そのプログラムに参加していた一人こそ、先週末のDMC戸田公演で映像と音楽の制作を担当していた学生、つまり私に初めて、心からの敬意を抱かせた学生なのです。
挫折を財産に変えられるかどうか、未来に生かせるかどうかは、全て自分次第です。前に進む意志を持ち、体を動かし続けること。それさえ忘れなければ、この8ヶ月の経験は、ゼミに所属していたどの学生にとっても、人生を切り開いていくための武器になります。
Keep paddling, or keep pedaling!