その「満タン」待った!

 原油価格高騰が止まりませんね。世界中から投機資金が原油相場に流れ込んでいるようです。要するに「モノはあるんだけど、売り惜しみをして値段を吊り上げて儲けを増やす」動きが活発なんですね。いつぞやの米の不作の時に、市場から一気に米が消えたのと同じ話。こうやってお金持ちはさらに豊かになり、投機に回す資金を持たない私は、生活必需品を高い値段で買わされるわけだ。

 悔しいのう。

 皆さんも悔しいでしょ。え。

 そこでせめてもの抵抗を。とりあえずガソリンスタンドで車を満タンにするのを止めましょう。これは燃費に効きますよ。だってね、車の燃料タンクにはコンパクトカーで40リットル、普通車で60リットルのガソリンが入るんです。ガソリンの比重は0.75ですから、60リットルのガソリンなら45キログラム。つまり満タン=45キロの重りを積むってことなんです。

 でも2リッターエンジンの車で都内をノロノロ走ったって、まあ1リットルあたり7キロくらいは走るわけでしょう。ということは60リットルの燃料なら420キロメートルの航続距離。

 しかしですよ、420キロ走るまでガソリンスタンドが無い荒野なんて日本には存在しないんだ。だったら必要な分だけ入れておけば良いじゃないですか。私の車は基本的にエンプティランプが点いたらタンクの半分、30リットル給油するようにしています。これで余計な30リットル=22.5キロの重りを積まずに走れるわけです。

 え? ガソリンスタンドの店員が「タンクに水が溜まる」って脅した? 嘘、嘘。大嘘です。福野礼一郎が『車はかくして作られる』でわざわざトヨタのタンク部門に取材に行って書いていたように、現代の乗用車のガソリンタンクに水が溜まるなんて有り得ません。だから水抜き剤なんてのもお金の無駄なんですねえ。

 ちなみに船や飛行機なんかの世界ですと、行き先までの燃料しか積まないのが常識であり鉄則だそうですよ。無駄な荷物運んで無駄な温暖化ガス出すだけですからねえ。