がんばれLVMHブラザース!

 LVMHって知ってますか? 知らない? LVは? 知らない? そんなはずないでしょう。電車に乗って左右見渡せば必ず一つや二つ目に入るあの鞄。世界一高価なビニール鞄(LVのモノグラムの生地は革じゃないです念のため)。ルイ・ヴィトンのモノグラム。

 あのルイ・ヴィトンを擁する大コングロマリットがLVMHです。ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーをくっつけたのね。酒ならヘネシーにクリュグにシャトー・ディケム。鞄ならヴィトンにセリーヌにフェンディにロエベ。香水ならディオール。時計ならホイヤーにゼニス。そんだけ抱えてるなら店開けるだろうって? ご心配なく。かのDFSにセフォラも一味ですから。

 要するに国際空港の免税エリアひとわたりってことですよ。あの辺で利幅が大きいモノはまあサンダル脱いでぶん投げたらLVMHの商品に当たるわけです。DFSの看板なんか大きいから狙いやすそうですね。でも本当にやったら警備員が来るんで、捕まってもこのウェブログの事は話さないで下さい。

 さて。ホクレア号の司令本部と母港があるホノルル港マリタイムセンターの向かいに立つのはアロハタワー・マーケットプレイス。あるいはワイキキビーチ裏にど~んと聳えるDFSギャレリア。LVMHの草刈り場ですね。特に我が日本国の麗しい大和撫子たちが(たまに元のつく人もいるけどさ)上得意です。それでね、私、実は最近までLVMH商法に眉をひそめていたんです。おまえらそんな鞄にその値段は無いだろうって。粗利8割くらい取ってないか? とか。

 しかし、最近考えを変えました。がんばれLVMH。特にルイ・ヴィトンは良い。素晴らしいです。

 何故かって? LVMH商法はまさに地球環境の味方だという事に気づいたからですよ。
 地球環境の危機の大部分は大量生産大量消費経済に由来します。たくさん作るから安い。壊れたら直すより買った方が安い。そりゃあ安いだろうけど、そのツケは全部地球に回してるんだからね。金利高いよ。下手したらヤミ金より高い金利を私たちの子供が取り立てられるかもしらん。

 ところがですよ。ビニール鞄にLVのモノグラム印刷して店に並べた途端、そいつは大量生産大量消費の使い捨て鞄から一生モノのお宝に昇格します。近頃ではお店で入れてくれる紙袋さえもリサイクルして鞄にしてしまうほどにね。なんてエコロジカル。私は涙が止めどなく溢れてしまいます。あの大トヨタさまや大ベンツさまでさえ不可能である少量生産循環消費高付加価値の商売を、LVMHは実現しているんです。車屋でそれやれたのはフェラーリとポルシェくらいですか? でもフェラーリもポルシェも普段使い出来ないですからね。LVMHの勝ち。

 良いぞ良いぞルイ・ヴィトン。その勢いでどんどん行け。

 え? 私んち? うちは安物の鞄を治して治して使ってます。大学2年のときに買った鞄が二つほど、10ウン年経ってまだ現役ですよ。