富士ゼロックスの広報誌『グラフィケーション』の新しいのが届いてたんですが、今号の特集が「観光」で、ほほうと思って読んでいたら関礼子さんの文章が出てました。
関さんは立教の社学の専任教員で、私の教え子が何人か今現在所属するゼミの指導教員だったりします。
で、檜枝岐村の観光の変遷を書いているんですが、驚いたのは、
>村を守るために「村外者に土地を手放さない」という申し合わせがあるから、リゾートブームの頃にも村外資本は入れていない。住むところがないから、よその土地からの移住は難しい。伝統を守る観光の村づくりは、村の子どもたちが戻りたい村づくり、戻れる村づくりとイコールなのである。
というように、ローカル以外に不動産を売らない日本の田舎の悪習(と私は思います)を持ち上げていること。
私のゼミが伊豆大島を調査した際にも、島に移住したくても不動産を売ってもらえないので過疎高齢化に拍車がかかっているとう問題がすぐに聞き取りで出て来たし、いわゆる地域振興を経営学の視点から見る研究者で、「よそものが移住しやすいこと」の大事さを指摘しない人は管見の限り居ないんですが・・・。
神山町や海士町など、今もてはやされている過疎地振興事例で(税金をドバドバ入れてるにしても)成功例とされているのは、外部からいかに人を呼んで定住させるかに腐心してますよ。
で、檜枝岐村の公式ウェブサイトの人口動態のページをチェックしたら
「特に近い将来の労働力や出生数を最も期待される年齢層である20歳から24歳までの人口が、ここ5年間で3分の1以下に激減しており、今後ますます少子高齢化に拍車がかかることが懸念されます。」
だめじゃん。終わってるじゃん。
檜枝岐は観光地としてはかなりブランド力が高いとこですが、それでもローカルの人材だけでやってればこうなるってことですよ。関さんは環境社会学が専門なので、ゼニカネのことはあまり明るく無いのでしょうが、それにしても、そこは褒めるとこじゃないよなって思いました。