六ヶ所村の核燃料再処理施設について、個人的な中間まとめ

 航海カヌーとは全然関係無い話が続いて恐縮ですが、個人的覚え書きとしてまとめておこうと思います。

・六ヶ所村の核燃料再処理施設の稼働について

 積極的に反対する理由が無いという形での消極的賛成。

・この施設の安全性について

 海洋および空中に放出される放射性物質の影響の計算方法については、現在、幾つかの細かい疑問点を原燃の担当者に照会している最中であるが、全体的に見れば稼働に反対する科学的理由は今のところ見当たらない。但し周辺の放射線量モニタリング、特に施設周辺の地表付近での線量測定と主要海産物の線量測定については十分な体制を維持する必要がある。

 大規模地震に対する対策についても、刈羽原発が設計値を大幅に上回る加速度に耐えきった実績から類推すると、十分な設計が為されている可能性が高いと判断する。

・プルサーマル計画について

 エネルギー安全保障の観点から、国内での実用化(国外では数十年の実用運転実績が複数あり)に向けた研究が継続されることが望ましいと判断。燃料用プルトニウムが余っているという指摘には誇張が含まれていると判断。

・原子力発電全般について

 核融合発電実用化までの繋ぎのエネルギー源として消極的賛成。バイオマスや高効率太陽光発電などの代替エネルギー源研究と実用化も待たれる。

・反対言説について

 何人かの論者については、極端なレトリックや誇張表現があまりにも多いと思われる。それ以外の言説についても、三次資料や四次資料、あるいは伝聞を鵜呑みにしたものが大半であると考える。一次資料や学問的に誠実な二次資料に綿密に当たる態度の普及が望まれる。ただしごく稀な事例として、正当な学問的手続きを経た科学的批判も提出されており、これらについては原燃や関係諸機関の誠実な対応が期待される。

・社会的影響について

 極端に誇張された反対言説がサイバーカスケードとエコーチェンバーによって拡散中であると考える。最も心配されるのは、こうした科学的根拠を欠く反対言説が、東北地方の農産物・海産物に甚大な風評被害をもたらすことである。

 六ヶ所村においてはこのような言説上の対立によるコミュニティの疲弊も懸念される。これらについては今後の調査検討課題とする。

以上