東北芸術工科大の廣瀬先生が日本地理学会で報告した資料「地理学を生かしたランドスケイプデザイン - 東日本大震災被災地小泉の再生試案を例に」を見ていて、息子との会話を思い出しました。
息子とテレビを見ていて、いや、高尾山の沢沿いの登山道を一緒に上っていた時だったかもしれませんが、息子が何かクールな地形を発見して「良いデザインだね! 誰がデザインしたの?」と私に尋ねました。
「これは自然がデザインしたもんだ」
「カッコ良いね!」
「そりゃあ自然はイケてるデザイナーだからな」
「自然はダメなデザインをしないの?」
「たまにそういうのもあるが、長持ちしない」
「長持ちしないとどうなるの?」
「自然が自分で壊して新しいデザインに作り替える」
「なるほど!」
何故イケてないデザインが自然の中で長持ちしないかといえば、物理に逆らっているからです。力が頻繁にかかる方向に変なでっぱりが出来ているとか、水がいっぱい流れるとこに水に弱いものがあるとか。私がMOMAデザインストアに行っていつも感じるのは「ゴミみたいなデザインばっかだなこれ」という脱力なんですが、これも同じ理由です。力が頻繁にかかる方向に変なでっぱりがあったり、素材の物性を吟味しつくしていない、見た目とコストだけで選んだようなものがドヤ顔で並んでいるからです。
これがMOMAデザインストア。
http://www.momastore.jp/
いやでもMOMAデザインストアの雑貨ならせいぜいダメな買い物の勉強代は1万円未満でしょう。でも土木ものでしたら、勉強代と笑っていられる金額じゃありませんし、そもそもそれ税金や。
廣瀬先生の問題提起が問題提起に終わらず、デザインに取り入れられることを望みます。