東京現代アート論壇は何故ガザには夢中なのにロシアは見て見ぬふりなのか。そこ気になる。

川重にイスラエル製品キャンセルを要求するならエレナ・トゥタッチコワにもロシアをキャンセル要求しようって言われたらどうします?

山本浩貴による飯山由貴らのアクションの擁護論文

飯山由貴はそもそも西美のオファーを断るのが筋だっただろうという意見に対しては「参加作家が会場で暴れるから意味がある」という反論。

私は「降りた上で会場に殴り込みした方がもっとニュースになったんでは?」と思いますが。その辺のトリップワイヤー戦略愛用スタイルがビジネスパーソン目線ではどうしても飯山由貴を信用出来ないとこ。公然とビジネスパートナーの顔を潰すような乱行をする(しかも2回目)人は信用しない。社会の常識では? アート無罪じゃないんだよ。

「ガザ問題に関し美術界の反応は希薄なように思われたが、抗議者たちは内覧会で「美術関係者」に対し、「一刻も早い停戦のためにもっと力を注(ぐ)」ことを呼びかけた。」

それ以前にロシアのウクライナ侵略への日本現代アート中央論壇の反応はもっと薄かった。君たちプッシー・ライオット好きだったんじゃないのか? 何でこれ全く話題にしなかった?

そして今でも薄い。エレナ・トゥタッチコワが西美で展示してることについて議論皆無なのはどうなのと思うので、その辺ダブスタじゃないですかと。ダブスタのひとは信用出来ないですよ私は。

西美から軍事企業の川重をキャンセルしろという主張には一理ある。それを美術館でのゲリラデモで主張するのも現代アートっぽい。まあたしかに、それはそう。良いと思います。流行りに乗ってる。良い。

でも、エレナ・トゥタッチコワさんは祖国が隣国を侵略して何万人もの死者を出して美術品を略奪して子どもたちを誘拐して原発を砲撃してることについてどう思ってるのか、ちょっと説明してからにしてくれませんか、ということも言えませんか。

みんな阿吽の呼吸でエレナ・トゥタッチコワについては触れないことになってるんだったら、そりゃあそもそもあなたたちの正義って何ですの? と思う向きも出てきます。

正義を突撃させる先が妥当かどうかの議論が暗黙の了解で行われないような権力システムの行き着く先は、プーチン政権やネタニヤフ政権やアサド政権みたいなやつですよね。

そう思いません?

もちろんエレナ・トゥタッチコワさんが「私はプーチン支持です! バリバリZです!」って言ったら西美から叩き出せ、とは言いません。日本には表現の自由がある。でも西美と今世界を覆っている軍事力による横紙破り大会の倫理的な関係性を焦点にするなら、ロシア人にアーティストフィー払って作品展示依頼してることについては、もう少し明確にプーチンZについてのスタンスは教えて欲しいですよ。納税者として。

そもそも結果が出ていない問題

これまでにこのスタイルで飯山由貴が戦った戦績なんですが、結果出てない。

本当に結果にコミットしているのか、それとも本当の狙いは別のところにあるのか。

ちょっと考えちゃいますね。

相手論点結果
東京都総務局人権部東京都人権プラザで自作の映画を上映させろ
群馬県庁群馬の森「朝鮮人追悼碑」を撤去するな
川崎重工IAIの軍事用ドローンHeron MKⅡの輸入代理店から降りろ

ちなみに川重が降りたとしても三菱商事や住友商事あたりが代わりに輸入するだけだと思います。本当はこんなもん買わなくても安心して暮らせる世界であることが大事なんですけど、ロシアとかイランとか中国とかイスラエルとか、国連安保理なんか屁とも思っていない軍事力が正義みたいな政権が増えすぎて・・・・困ったもんです

特権階級の人に「対立や冷笑は止めよう」と言われても

単純化された二項対立図式——「味方、そうでなければ敵」——の枠内での相互的冷笑、非難の応酬、その結果として残る無視や無関心ではなく。あるいは、真に建設的で批判的な議論を。そのために、今回のアクションで可視化された出来事に対し、一人ひとりができることを考えてみること。

それは大学の専任教員で、言えば福島夏子さんがサクッとTokyo Art Beatに4回連載枠を用意してくれる特権階級の論者が言うことじゃないんじゃないかなあと思いますけども。飯山由貴批判の論考なんか絶対載せてくれないですよねTokyo Art Beatは。

山本浩貴さんは東京現代アート論壇最強マスメディアの枠を簡単に調達して言いたいことを言える。でもそんな特権持ってるのは五野井郁夫と山本浩貴、このお二人くらいですよね。このリーチ力の非対称性、イスラエル軍とガザ地区の住民の「力」の違いと同等レベルだと思います。

みんなの大好きな村上春樹のスピーチで言えば、硬くて大きな正しい壁は山本浩貴や五野井郁夫で、そこにぶつかって割れる卵は・・・

もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。

そう、どれほど壁が正しく、卵が間違っていたとしても、それでもなお私は卵の側に立ちます。正しい正しくないは、ほかの誰かが決定することです。

村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチ

ね。だって戦車をバカスカ投入して大量殺戮をしながら「もう対立は止めよう」ってイスラエル軍に言われたガザ地区住民が「おっ、そうだな!」って思いますかね? 

ルース・パティアはカッコいい。

各方面に仁義切った上での抗議なら良いんですよ

現場の人たちの顔潰すようなやり方は嫌い。