大橋崇行・山中智省編『小説の生存戦略:ライトノベル・メディア・ジェンダー』所収の金木利憲「「聖地巡礼」発生の仕組みと行動」で観光学は観光の経済学的側面しか議論しないとあるが、ヴァレン・L・スミス編『ホスト・アンド・ゲスト』所収のネルソン・グレイバーンの有名な論文で、観光を聖性や通過儀礼と結びつけて論じていたはず。
金木の論文の参考文献リストを見ても、観光社会学や観光人類学のベーシックな文献は1冊も出ていない。金木の専門が日本の中世文学だからしょうがないと思うか、いや、それくらい読んでから書けよと思うか。
邦訳まで出てるわけだしねえ。 だからアマゾンレビューに軽いって書かれちゃうんだぞ(私も同じ感想は持った)。
元の論文の書誌情報はこちら。
Graburn, Nelson N. H., ‘Tourism: The Sacred Journey’ in Smith, Valene L. ed. Hosts and Guests: The Anthropology of Tourism, Philadelphia: The University of Pennsylvania Press, 1977, pp.24-26
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