山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』:ライト版『ノルウェイの森』

山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』読了。

とても短い小説だったので1時間もかからずに読めました。第41回文藝賞受賞作。私はいわゆる純文学はほとんど読まないので、それ系統のものを読む時にはいつも「なるほどこれが純文学か!」と唱えながら読んでいます。

さて本作、面白いか面白くないか。読了出来る程度には面白かったです。お話はありふれたもので、ボーッと生きてる取り柄のない男子学生が何故かあちこちでモテて、何となくキスとかセックスをして、よくわからないけど突然捨てられてという。『ノルウェイの森』のライト版みたいな。捨てられなかったらハーレムもののライトノベルなんだけどね。

これをモテないおっさんが書いたら単なる痛い妄想なプロットですが(念の為、痛い妄想こそ創作では最強の武器になるって諫山創先生が言っておられましたが完全同意です)、当時26歳の女性がノルウェイの森プロットをメンズ視点で書いた点が新しかったのかなと思います。

推敲を徹底したのか、まったく推敲をしなかったのか、考えれば考えるほどわからなくなるヘタウマ文体も「なるほど!」と思いました。

いや本当に色々勉強になりましたよ。