清水克行・高野秀行『世界の辺境とハードボイルド室町時代』を読んで、清水も頑張ってるなあとしみじみした

立教大学文学部史学科の同期の清水克行くんの本を初めて読みました。彼は同じクラスだったので、2年生まではよく遊んでたんですよ。立教の文学部は女子のが圧倒的に多いので、男というだけで親近感が湧くんです。

ちなみに、文中で何度か彼が学生時代にパキスタンに行った話が出てくるんですが、彼がパキスタンのトイレの話をしていたのを今でも憶えてます。大学1年の夏休みに彼がパキスタンに行ってきて、翌年の夏に私がちょっとだけイスラマバードやカラチに立ち寄った。その時にカラチのトイレで「ああこれが清水の言ってたやつか」としみじみ思い出したわけです。

それはともかく、彼の本は面白いですね。我々は網野善彦や阿部謹也の社会史の方法論が直撃した世代だからなのか、彼が面白いなと思って研究していることの面白さのコアがすごく響いてくる。それに、後半で彼が、死を軽く扱いすぎていると同業者に批判されてしまうとボヤく部分があるのですが、そこが彼の持ち味なんですよ。清水くんは学生の頃から独特のユーモア感があって(自分では「三の線」と言ってました)。

なお、我々のクラスからは知る限りではもう一人、研究者が出ています。イスラエルのローマ考古学が専門の江添誠くん。だから、あの少ない男子の中から3人も博士が出たわけですね。あとがきで清水くんが、学生時代には辺境に行くやつが多かったと書いていますが、我々のクラスで一番辺境を回っていた小野くんは、私が立教で教えていた時期には三菱商事ロジスティクスの物流センター長で、学生たちをインターンで受け入れてくれました。その後、彼はMC-LOGIを電撃退社して九州に行っちゃいましたけど。ほんと放浪癖だよな。

当時、韓国にハマっていた麻生くんは今は佐賀で公務員。江添は考古学の求道者みたいな人生。

また機会があればみんなで集まりたいですね。