末次由紀「ちはやふる」を最新の44巻まで読みました。
映画は見たことあったのですが、マンガは手を出していなかったのです。映画の広瀬すずが美しすぎたので、あれでもう満足しておりました。
いやあもうこれはこの世のものとは思えないでしょう広瀬すず。天女かよ。
と思っていたんですが、今回たまたま機会があったので、腰を据えて通読。
内容は「ヒカルの碁」にそっくりです。
先行する天才(塔矢アキラ、若宮詩暢+綿谷新)と、それを追う第二の天才(進藤ヒカル、綾瀬千早)。
変人の名人(塔矢行洋、周防久志)。
ゼロから渋い部活を立ち上げる主人公。
要所要所で主人公を後押しするベテラン勢。
部活の仲間たち。
超自然的な存在となった平安貴族たち。
インターネットが物語の小道具になるところ。
絵柄もコマ割りや演出も「ヒカルの碁」そっくり。
「ヒカルの碁」に恋愛とフェミニズムを足したら「ちはやふる」ですね、概ね。
じゃあつまらんのか?
いえいえ。大変面白かった。だからちゃんと新品を買いましたよ。投げ銭投げ銭。
だいたい私は今のヲタコンテンツは「また後期中二病ものかよ」でアレルギー反応が出るんですが、「ちはやふる」にはそれが出なかった。
その理由はシンプルです。
先行する諸作品を一切知らなくても100%楽しめる作りだから。
「ちはやふる」が「ヒカルの碁」や「スラムダンク」に多大な影響を受けているのは間違いないのですが、それらを知らなくても楽しめるし、知っていたら余計楽しいかといえばそうでもない。
知っていても知らなくても100%。
こういった作り方はディズニーの2次元ものと同じですね。あちらも客にオタクであることを要求していない。
逆に、まあ名前を挙げて悪いけど「魔入りました入間くん」みたいなのは異世界転生ものというジャンルの知識があるの前提でパロディをやっている。ああいうのは個人的に気持ち悪いんです。ムラ社会だから。
宮崎駿のアニメも客にヲタ知識を要求していませんよね。
ヲタ知識の共有を前提とした作品は、作りやすいんです。ムラ社会だからお互いなあなあで済む部分が大きい。
そういうものに堕していない「ちはやふる」、久しぶりにスカッとするマンガでした。
また新品買いますよ。