映画の「ゲド戦記」が酷評される理由

アニメ映画の「ゲド戦記」
 
先程見終わりました。
 
何で酷評されているのかわかった。ディズニー映画に慣れた人にはこれは無理ってことですよ。爆発とか炎上とかクドいメロドラマとか一切無いものねえ。ベイマックスみたいなサービス満点どんなバカでも見どころがわかるみたいな映画じゃないもん。よく興行成績80億も行ったわな。
 
私はどっちかと言えば好きな映画です。また見ても良いと思った。
 
評価ポイントはとにかく構図です。構図。画面構成。素晴らしいのう。宮崎吾朗、前職がランドスケープデザイナーだったからかしら。画面の中のランドスケープデザインが良い。ホントに良い。街も野原も。特に何の変哲も無い野原が良い。MTBでここ走ったらあんな匂いがして、ハンドルからこんな衝撃が伝わってきて、あそこでタイヤズルっといきそうだってとこまで描写されてる。
 
作劇の方では、宮崎駿+ル=グウィンなんて超ビッグネームの連弾なんで、それは何を作っても叩かれるに決まってるわけです。七光デビューという背景もあるし。
 
演出としてクライマックスのバトルをディズニーみたいに派手派手しくやらかしとけばディズニーが見たい人たちは多少は満足するかもしれませんが、それでも多分叩かれるんなら、いっそのことラスボスバトルを地味にしちまえって演出のパンクさにしびれた。原作と話が違う? 良いんですよ。そんなに原作が好きなら原作だけ読んどけ。
 
よくやった(笑)
 
パンク魂。
 
息子も高く評価していました本作。彼が高く評価したんだからこれは本当に良い作品なんですよ。
 
淀川長治氏のこの言葉
 
お前はまだ若いから仕方がないけども、映画の観方ってな、自分で物事を考えながら観ていき、それを如何にして監督や脚本家が映像に落とし込んでいったのかと早く読解力に務めていくと、より深く映画っていうのは観ていけるんだよ

こういう見かたが出来ない人には、そりゃあつまらん映画なのはわかります。ゲド戦記。