難民ボートの航海士

卒論難民たちの卒論が日々ゴールに向かって前進している感触が伝わってきて、何となくご機嫌な夜です。進捗状況が早い子はもう結語までの道筋が全部見えていて、あとは自分の力でそのルートを踏破するだけというとこまで来ている。今は踊り場にいるような子も、本人には見えていないゴールへの道筋がちゃんと私には見えているから、順に段階を踏んでそれを発見させていきます。

このテーマで卒論書きたいんですって気持ちをきちんとした研究テーマに変換してあげて、それで「やっぱりこのテーマにして良かったです。楽しいです。」と言ってもらえるのは、経験した人間じゃないとわからない快感ですよ。卒論は学問を身につけるための総決算というだけでなく、場合によっては、その学生のそれまでの人生に新たな意味を与えるプロセスになったりもしますからね。そんな場に立ち会える/立ち会えたというだけでも、博士号を取った価値があったかもしれない。