卒論指導はシステマチックに。

 いよいよ後期が始まります。

 今年の卒論指導はシステム化を徹底してます。目的・対象・方法・結果・考察という5段階の章立ては去年も徹底しましたが、今年は更に厳しい工程管理とサンプル数の必達目標を課し、論文全体の論理構造はMECEのピラミッドを描かせて検討させてます。社会学にありがちな随筆調や衒学趣味は断固排除。

 文体も東大社会学調のうざったいのは「こんな文章を読んで喜ぶのは社会学者だけだ」とボロクソにけなして書き直しを指示してますね。余計なことは書かず段落分けはきちんとやり、一文一文は短くシンプルに。

 これ全て、大学を出た後にも仕事できちんと使えるスキルを叩き込む為です。

 去年は夏休みは完全に自主性に任せたら殆ど研究を進めなかったので、今年は正規履修者には来週中に面接調査30件必達を指示していて、これはほぼ全員が達成出来る模様。彼女・彼らはKJ法での語りのおおざっぱな分析も8月末に済んでいるんで、9月最終週にピラミッド構造図と付き合わせて「最初の問い」と「真の問い」を確定させます。そしたら10月中に本分析と追加調査です。

 10月末に考察の最終的な方向性を各自に指示してやって、11月下旬には初稿完成。12月1週目に私が最終チェックをしたら余裕を持って製本・提出ですね。ギリギリになるまで手を着けずに短期決戦でデッチあげる卒論では学べない多くのことを身につけさせて、自信を持って社会に送り出します。まあ実戦では短期決戦書類デッチあげ能力も大いに役に立つのですけれども、与えられた9ヶ月の最後の1ヶ月でやっつけるよりは、9ヶ月をフル活用した工程管理、QCサークルによる品質の自己検証・改善、達成可能だけどちょいキツめの数値目標のノルマ化といった手法がどれだけ有用なのかを体験してもらいたいな~と思ったんです。卒論の内容改善をQCサークルシステムでやってるとこは珍しいでしょうけど、これ凄く教育効果高い手法ですよ。

 一方、難民チームは進んでいる子でも面接調査は10件行っていないみたいなんで、とにかく急げ急げと発破をかけてます。早く動けば動くほど結果的には楽なんですから。